2025年5月28日 Wit Display
青色リン光OLEDの寿命が250倍に向上
最近、海外のニュースで、ミシガン大学のフォレスト教授が率いる研究チームが、青色リン光OLED（PHOLED）発光材料を設計したことが報じられた。
研究者たちは、この新しい発光材料をベースにしたタンデム型デバイスを開発し、従来の単層PHOLEDデバイスと比較して寿命を250倍に向上させた。この新しい設計は、商業化された青色PHOLEDデバイスの実現に向けた実行可能な道筋を提供している。
PEP-PHOLEDデバイスによる寿命向上
ミシガン大学提供の画像によると、寿命を大幅に向上させるため、研究者たちは陰極と陽極にポラリトン増強パーセル効果（Polariton-enhanced Purcell: PEP）を適用し、デバイスの寿命を延ばすことでPEP-PHOLEDデバイスを構築した。このデバイスの青色色度座標はCIExy = (0.14, 0.12)である。研究者たちは、この両面PEP効果技術は、他のPHOLEDデバイスの寿命を延ばす技術と組み合わせて使用できると述べている。
注目すべき研究成果と今後の展望
今回の研究で最も注目すべきは、Pt（白金）錯体ベースのタンデム型PEP-PHOLEDデバイスであり、500 cd/m²の輝度で1,800時間のLT90寿命（輝度が90%まで低下するまでの使用時間）を達成し、56%の正面EQE（外部量子効率）を誇る。
資料によると、ミシガン大学の研究チームは20年以上にわたり商業化された青色PHOLEDデバイスを開発しており、複数のディスプレイ企業と密接に協力している。その中で、Universal Display社はミシガン大学と長年協力しており、最近、自社の青色PHOLED材料が商業化段階に近づいていると発表した。LG Displayも、ハイブリッド型タンデム構造デバイスで新材料の性能を検証している。
将来的に、ミシガン大学チームの研究成果は、PHOLEDの商業化を実現するための重要な一歩となる可能性を秘めている。
