BOE、北京でマイクロディスプレイ開発インフラを構築…2025年のBOE IPCで様々なAR/VR製品とロードマップを発表


2025年9月19日 UBIリサーチ

 

BOEが北京市に位置する第5世代B1 LCDラインのクリーンルームを転換し、OLEDoS(シリコンベースOLED)生産インフラを構築する。投資財源は北京B20拠点から調達し、既存の設備とインフラを活用して工程検証と歩留まりランプアップ期間を短縮することが目的である。これは単純な増設ではなく、北京中心のシリコンマイクロディスプレイの内在化を通じて早期量産体制を確保しようとする戦略と解釈される。

 

BOEは、2025年国際パートナー会議(IPC)および連携イベントでマイクロディスプレイのロードマップと新製品を公開した。展示は、高解像度AR/VR機器など次世代アプリケーションを狙った技術力と商用化意志を示す場であり、BOEは2,000 ppi以上の高解像度LCDとLEDoSおよびOLEDoSに研究開発と投資を集中すると明らかにした。また、北京に新しいマイクロディスプレイ生産基地を設け、外部デザインハウスに依存していたシリコン(Si)バックプレーン技術を自社開発に転換し、技術の独立性を確保する方針だ。

 

BOEは市場セグメント別のポートフォリオも再整備した。プレミアム市場はLEDoSとOLEDoSで対応し、中級市場は重慶拠点でVR用AMOLEDパネルを開発・生産する。普及型市場は、北京B20で2,000 ppi級LTPS-LCDマイクロディスプレイラインを稼動し、コスト競争力と数量対応力を強化する。これとは別に、オードスB6ラインではMLEDバックプレーンの転換が進行中だ。5.5世代資産を活用し、スパッタリングベースの金属-電極薄膜形成など核心工程の均一性と信頼性を高め、大面積駆動に必要な低抵抗配線と接触特性の最適化を通じて工程成熟度を高める方針だ。

 

BOEの今回の措置は、AR/VR市場でソニー、サムスンディスプレイなどとの競争構図に変化をもたらす要因とみられる。シリコンバックプレーン自体の開発が本格化すれば、設計変更と性能改善、電力最適化に対するフィードバックループが短くなり、製品発売のスピードが速くなると予想される。

 

北京を中心としたインフラの転換は、サプライチェーンの安定性とカスタマイズ対応力も強化すると観測される。北京内に設計、光学、ソフトウェア、ソリューションの能力を集積し、顧客カスタマイズ仕様への対応と製品世代切り替えのリードタイムを短縮するという構想だ。