BOE、第8.6世代有機EL工場第2期建設に向けて製造装置を発注へ


出典:文涛|2025年10月24日

 

第8.6世代B16ライン、第2期計画が進行中

韓国の産業関係筋によると、BOE(京东方)は今年中に蒸着製造装置の発注を行い、来年末までに第8.6世代有機EL工場への設置を予定しているという。

 

中国を代表するディスプレイメーカーであるBOEは、すでに同工場の第1期建設において2台の蒸着装置を導入している。関係者によれば、現在この段階で製造された試作品について、BOEはその品質と信頼性を高く評価している。

 

第8.6世代生産ライン(B16と呼ばれる)は、スマートフォン向けのみならず、IT機器向けの有機ELパネルも生産する計画である。関係者の話では、BOEは複数の製造装置メーカーと追加の蒸着装置発注に向けた交渉を進めており、第2期投資の一環として設備を拡充する見込みだ。BOEは来年第4四半期までに装置の納入を受けることを目標としているが、このスケジュールが前倒しされる可能性もあるという。

 

BOEは月産能力3万2,000枚のB16ラインを建設予定であり、第1期ではそのうち1万6,000枚の生産能力を確保する計画だ。第1期で導入された2台の蒸着装置は韓国のSunic System社が設計・供給しており、1号機は5月に、2号機は最近になってそれぞれラインに搬入された。

 

関係筋によれば、BOEは今年第4四半期または来年第1四半期に同様の装置を追加発注する見込みであり、その装置群は2026年末の納入が予定されている。

 

IT・車載向け有機EL市場の急拡大

IT向け有機ELは、主にタブレットPC、ノートPC、モニターなどに使用される。現在、スマートフォン向け有機ELパネルが金額ベースで全体の約80%を占めているが、今後はITおよび車載用途が着実に比率を高めていくとみられている。

 

市場調査会社Omdiaによると、ITおよび車載向け有機ELの需要は2025年に2,200万台と予測されており、2032年には1億700万台へと拡大し、有機ELパネル全体の約21%を占める見込みだ。

 

またOmdiaは、2027年下半期には韓国企業がIT向け有機EL生産能力の63%を維持すると予想する一方で、翌年には中国がこれを上回ると見ている。データによれば、2028年には中国ディスプレイメーカーの第8.6世代有機ELパネル生産能力が韓国勢を超える見通しであり、2030年時点では中国が市場シェアの66%を占め、韓国は34%にとどまると推定されている。