BOEの幹部が来週韓国を訪問 8.6世代有機EL製造装置の追加発注か


出典:WitDisplay|2025年10月24日

 

韓国訪問と新たな発注計画

韓国メディアの報道によると、BOE(京东方)の幹部が来週、韓国を訪問し、8.6世代有機EL製造装置を追加発注する見通しである。

現在、BOEの第1期8.6世代生産ラインは建設中で、稼働は来年を予定している。第2期生産ラインの設置時期については現在協議が進められている段階だ。

 

四川省最大の工業投資プロジェクト

BOEの第8.6世代AMOLED生産ラインは、総投資額が630億元に達し、四川省ではこれまでで最大規模の単体工業プロジェクトとなる。この生産ラインは、ガラス基板サイズ2290mm×2620mmで、月産3万2,000枚の生産能力を持つ設計である。主にノートパソコンやタブレット端末などの高級スマート端末向けに、有機ELタッチディスプレイを生産する計画だ。

 

BOEは、低温多結晶酸化物(LTPO)バックプレーン技術と積層発光素子製造プロセスを採用することで、有機ELパネルの消費電力を抑え、寿命を延ばすことを目指している。これにより、ノートPCやタブレット製品の次世代化・高性能化をさらに推進する見通しである。

 

量産時期は前倒しの可能性も

2025年5月20日、中国国内で初となる第8.6世代AMOLEDディスプレイデバイス生産ライン――BOEの第8.6世代AMOLEDプロジェクトで、最初の製造装置搬入式が行われた。当初の計画より4か月早く製造装置の搬入が始まった形だ。

 

BOEは、当初「8.6世代有機ELプロジェクトの量産を2026年末」と見込んでいたが、すでに製造装置の搬入を前倒しで開始していることから、成都B16工場の量産開始も早まる可能性が高い。もともと2026年第4四半期に予定されていたが、4か月前倒しされると、第3四半期、あるいは第2四半期に量産が始まる可能性もある。

 

中国国内の生産体制を拡充し、世界的な影響力を強化

BOEは現在、成都、重慶、綿陽の3都市に第6世代フレキシブルAMOLED生産ラインを展開している。これに加え、中国初の第8.6世代AMOLED生産ラインの建設を進めることで、BOEは有機EL分野における世界最先端の技術力と業界への影響力をさらに高めている。