Garmin、AUOと提携し世界初のMicro LEDスマートウォッチを開発


CINNO Research|2025年9月4日

 

CINNO Researchが伝えたところによると、Garminは9月4日、アウトドア愛好者やスポーツ愛好者向けに新たなフラッグシップモデル「fēnix 8 Pro」シリーズを発表した。この新シリーズは、自社の衛星通信技術「inReach」を初めて内蔵しただけでなく、友達光電(AUO)が供給するMicro LEDディスプレイを搭載したモデルを用意し、世界で初めてMicro LEDを採用したスマートウォッチとして登場した。

 

fēnix 8 Proシリーズに組み込まれたinReach技術は、スマートフォンを携帯しにくいアウトドア活動に最適化されている。行動ネットワークと衛星通信を組み合わせることでメッセージ送受信や位置情報の共有が可能で、365日24時間対応のSOS緊急要請サービスにも対応する。これまでGarminのスマートウォッチは通信機能がスマートフォンに依存していたが、トレーニング機能や耐久性、電池寿命といった点で高い評価を得てきた。今回のシリーズでは、inReach技術を核に通信性能の強化を図り、競合との差を縮める狙いがある。

 

 

注目すべきは、スマートウォッチとして初めてMicro LEDディスプレイを採用した点だ。fēnix 8 Pro MicroLEDモデルは、1.4インチのディスプレイに40万個以上の独立したマイクロLEDを実装し、最大4,500ニトという驚異的な輝度を実現。高精細かつ色彩豊かな映像を広い視野角で提供し、屋外の強い日差しや暗所でのランニング、さらには極端な温度変化下でも優れた視認性を発揮する。

 

このディスプレイは友達光電が供給しており、LTPSアクティブ駆動技術と組み合わせることで、鮮やかな画質と高速応答、長寿命、そして環境適応性を兼ね備えている。これにより、fēnix 8 Pro MicroLEDは過酷なアウトドア環境においても安定した表示性能を維持できる。

 

GarminはAMOLEDディスプレイを搭載したfēnix 8 Proに47mmと51mmの2サイズを展開し、スマートウォッチモードで最長27日の電池寿命を実現。価格は1,199.99ドルに設定されている。一方、Micro LEDモデルは51mmサイズのみの展開で、スマートウォッチモードの電池寿命は10日、価格は1,999.99ドルとなっている。

 

AUOはこれまでテレビや車載用途などでMicro LED技術の導入を進めてきたが、Garminとの協業によって、その応用範囲はついに日常的なウェアラブルデバイスに広がった。今回のfēnix 8 Proの発表は、Micro LEDが本格的に個人ユースの領域へ進出した象徴的な出来事となった。