JBD、数億元規模のB1ラウンド資金調達を完了 ― MicroLEDマイクロディスプレイ事業を加速


JMInsights 集摩咨询 2025-08-22

 

上海显耀显示科技有限公司(以下、JBD)はこのほど、数億元規模のB1ラウンド資金調達を完了したと発表した。本ラウンドには、安徽鉄道基金、方華基金、光躍投資、混沌投資、アント・ユニコーン基金、上海科創基金、錫創投、招商局中国基金などが出資(名称はアルファベット順)。調達資金は主に、MicroLEDマイクロディスプレイのコア技術開発、量産能力拡大、人材獲得、エコシステム協業の深化に充てられ、拡大するグローバルAR+AI端末市場の需要に応えていく。

 

B1ラウンドの完了は、JBDが掲げるMicroLEDマイクロディスプレイ技術の方向性、商業化能力、そしてAR近眼ディスプレイ分野におけるリーダー的地位が投資家から強く認められた証左でもある。

 

市場の急成長とJBDの存在感

2015年設立のJBDは、MicroLEDマイクロディスプレイのパイオニアとして、AR近眼ディスプレイ向けの最先端ソリューションを提供してきた。過去1年で、同社は市場拡大・製品革新・技術進化の面で大きな成果を上げている。

 

現在、JBDの技術を採用したスマートグラス製品は約50機種に達し、前年から急増。Rokid Glasses、INMO GO2(影目科技)、玄景M5(微光科技)、雷鳥X3 Pro、Leion Hey2(亮亮視野)、アリババ「哇哦夸克AI眼鏡」、Halliday などの有力ブランドに採用され、市場での信頼が裏付けられている。

 

さらに、海外大手テック企業からの量産受注も進んでおり、納入拡大を通じてJBDは世界のAR近眼ディスプレイ市場で存在感を一層高めている。需要が高まる軽量・常時装着型のARスマートグラスに対応するため、今後1年でJBD技術を搭載した新製品が続々と市場投入される見込みだ。

 

製品革新 ― hummingbirdシリーズが市場を牽引

JBDはAR用コアデバイス分野で積極的に革新を続けている。

 

・hummingbird Mini II 単色光エンジン(2024年発表):0.15立方センチという超小型設計で、ARグラスに従来以上の設計自由度を提供。軽量で通常の眼鏡に近い形状の製品開発を可能にした。

・hummingbird I カラー光学モジュール:6000ニトの入眼輝度を実現し、光波導における輝度ムラを解消。カラーARグラスの大規模普及に向けた技術的障壁を突破した。

 

さらに今後12か月間で複数の新製品を予定しており、中でもhummingbird II カラー光エンジンは、消費者向け軽量ARグラスに適した初の本格的なカラー表示ソリューションとなる可能性があり、大きな注目を集めている。

 

技術的ブレークスルー

・高輝度性能:4µmプラットフォームの単色MicroLEDディスプレイは、標準駆動で緑1000万ニト、青200万ニト、赤150万ニトを達成。過駆動ではさらに数倍の向上が可能。

・フルカラー化:垂直積層アーキテクチャを採用した単片フルカラー「Phoenix」シリーズは、200万ニト超の白色バランス輝度を実現。

・品質管理:単色パネルにおける不良画素数を従来の100個以下から3個以下へと大幅に改善し、業界標準を刷新。

 

これにより製品の信頼性と性能が飛躍的に向上し、JBDはAR近眼ディスプレイ分野でのリーダーシップをさらに強化した。

 

CEOコメントと展望

JBD CEO 李起鳴氏は次のように述べた:「スマートグラス市場はすでに概念検証段階を超え、本格的な量産・普及のフェーズに入った。MicroLEDマイクロディスプレイは、AR近眼ディスプレイの次世代主流技術として産業界に広く認識されている。今回の資金調達は当社の研究開発力と量産体制を大幅に強化し、普及をさらに加速させるだろう。」

 

AI応用の浸透が急速に進む中、AI+ARの融合は人とデバイスのインタラクションを根本から変革し、世界の大手テック企業が競う重要市場となる見通しだ。JBDはMicroLEDのリーダーとして、パートナー企業と協力しながらAR産業の高度化を推進し、オープンかつ共創的な消費者向けARエコシステムの構築を目指す。