Kopin、マイクロLEDoSの軍用大型受注を再び獲得


出典:WitDisplay(2025年10月15日)

 

戦闘機用HUDシステムを全面刷新

10月14日、米国のKopinは、ある一級航空宇宙企業から約320万ドル規模の受注契約を獲得したと発表した。Kopinはこの契約に基づき、戦闘機のヘッドアップディスプレイ(HUD)システムの全面アップグレード用としてMicro LEDディスプレイを供給する。これにより、KopinのMicro LED技術が初めて戦闘機への量産適用を実現することになる。

 

このMicro LEDディスプレイは2026年下半期に納入予定で、現行のHUDシステムを置き換える形となる。新型ディスプレイは高解像度映像をパイロットの視界正面に直接投射でき、状況認識能力、飛行安全性、任務遂行効率を大幅に向上させるという。

 

高輝度・低消費電力のMicro LED技術

Kopinによると、今回納入されるMicro LEDディスプレイはすでに飛行認証を取得しており、高輝度・高ダイナミック調整性能を備える。ピーク輝度は100万フィート・ランバート(fL)に達し、これは有機ELディスプレイの約100倍に相当する明るさであり、強い日光下でもクリアな視認性を維持できる。

 

また、Micro LEDマイクロディスプレイは30,000:1を超える調光範囲を持ち、昼夜を問わず素早く切り替え可能。さらに、高度なバックプレーン設計によって画像の均一性を確保し、動きによる残像を効果的に抑制。これにより、パイロットは高速機動や複雑な環境下でも安定したリアルな映像を得られる。

 

電力効率の面では、KopinのMicro LEDマイクロディスプレイ技術は同種の他方式に比べ約5倍の効率を持つ。1枚あたりのディスプレイ解像度は400万画素で、120Hzのリフレッシュレートをサポート。高輝度・低遅延・高忠実度の映像表示を実現し、高性能戦闘機や他の重要任務用機器の要求を満たす仕様となっている。