LGディスプレイ、坡州AP4工場で有機ELパネル生産能力を月6万枚に増強へ


2025年9月16日 金融ニュース報道

 

iPhone向け有機EL需要の拡大に対応

LG Display(LGD)は、AppleのiPhone向け有機ELパネル需要拡大に対応するため、京畿道・坡州にあるAP4工場の生産ラインを増設する。LGDは先月、この増設を目的に特別タスクフォース(TF)を設立したことが分かった。

 

坡州AP4工場の概要と生産ラインの拡張

AP4はLGDが建設した第6世代モバイル向け有機EL生産ラインで、iPhone用パネルの薄膜トランジスタ(TFT)基板を加工する拠点だ。AP4工場は2023年末に月産能力を3万枚から4万5000枚に拡大しており、約2年ぶりにさらなる増設を決定した。TFは今月中にスパッタリング装置などの主要製造装置を選定し、10月以降、協力会社への発注を順次開始する予定である。

 

供給シェアと投資規模

業界推計によれば、現在iPhone向けの有機ELパネルはSamsung Displayが約50%、LGDが約30%を供給している。LGDは今回の増設により月産能力をさらに1万5000枚増やし、AP4工場全体で月6万枚の生産能力を目指す。2025年6月に取締役会が承認した1兆2600億ウォン規模の有機EL投資計画の大半が、このAP4ラインに投入される見込みだ。新ラインは2026年から本格的な量産を開始し、増設分のパネルは2026年下半期に発売予定の新型iPhone(iPhone 18シリーズ)に搭載される可能性が高い。

 

製造装置業界への波及効果

数年ぶりとなるLGDの大規模増設は、同社の有機EL中心体制の強化や業績改善を後押しするとみられる。またLGDの投資により、DMSなど製造装置メーカーや協力会社が供給契約を通じて恩恵を受ける見通しで、製造装置業界全体にも追い風となる可能性がある。