2025年7月8日 The Elec
iPhone 16eのOLEDを再利用… BOE・サムスンディスプレイが開発に参加、LGディスプレイも加わる見通し
アップルが2026年春にもエントリーモデルのOLED搭載「iPhone 17e」を発売する計画であることが、7月8日に明らかとなりました。使用されるパネルは、iPhone 16e用のOLEDを再利用するとのことです。アップルは年間のiPhone出荷台数を2億2000万〜2億3000万台に維持する目標を掲げているとされています。
このiPhone 17e向けOLEDの開発プロジェクトには、BOEとサムスンディスプレイが参加しており、LGディスプレイも加わる可能性が高いと見られています。現行のiPhone 16eにはBOE、サムスンディスプレイ、LGディスプレイがOLEDを供給しており、その中でもBOEが最も多く供給しています。
アップルはこれまで、2016年・2020年・2022年にLCDを使用した低価格モデル「iPhone SE」シリーズを展開してきましたが、今年は「iPhone 16e」としてOLED搭載でリリースされました。このシリーズでOLEDを採用したのは今回が初めてです。
来春発売予定のiPhone 17eは、iPhone 16eで使用された6.1インチのOLEDを再利用する設計で、16e自体は2022年のiPhone 14モデル向けのパネルを転用しています。iPhone SEやiPhone eシリーズは、既存の部品を再利用しつつ、最新のアプリケーションプロセッサ(AP)を搭載して、他の同価格帯製品と競合するモデルです。
アップルが今年のiPhone 16eに続き、来年もiPhone 17eを発売する目的は、出荷台数の維持とユーザーデータの確保にあるとされています。2020年のコロナ禍以降、iPhoneの年間出荷台数を2億3000万台まで増加させた背景があり、同時期にサムスンのGalaxyスマートフォンの出荷台数が2億3000万台に減少したことで、両社の出荷台数が拮抗してきました。
iPhone SEシリーズの初年度出荷台数は約2000万台とされ、今年のiPhone 16eも同様の出荷量が見込まれます。たとえ販売が好調でも、アップルは出荷数を2000万台以内に抑える可能性が高いと見られています。iPhone 16eの売上が伸びすぎると、上位モデルであるiPhone 16シリーズ4種の販売に悪影響を与えるためです。
業界では、アップルが今後も毎年「iPhone eシリーズ」を継続して投入する可能性が高いと見ています。その理由は、iPhone 17eの投入背景と同様に、販売維持とAIデータ収集にあります。
現在、アップルはAI競争で後れを取っているという評価もありますが、それでも全体の出荷数を維持することが、サムスンなどAndroid陣営に対するAI分野での巻き返しにおいて重要となるからです。
一方、サムスン電子は昨年発売したGalaxy S24シリーズの出荷台数を3500万台台まで回復させました。これは、S24シリーズに搭載されたオンデバイスAIによるマーケティング効果が大きかったとされています。
さらに、サムスンは来年発売予定のGalaxy S26シリーズで、初めて「エッジ」モデルをラインアップに追加しました。現在のS25シリーズは「標準・プラス・ウルトラ」の3モデル構成ですが、S26では「エッジ」がプラスモデルに置き換わる予定です。
S26のモデル別画面サイズは次のとおりです:
・標準モデル:6.27インチ
・エッジモデル:6.66インチ
・ウルトラモデル:6.89インチ
画面サイズの面では、今年のモデルと大きな差はないと見られます。