2025年10月1日 UBI Research
iPhone 18とフォルダブルで異なる採用方針
Appleは2026年に発売予定の次世代iPhoneシリーズで、アンダーディスプレイカメラ技術を機種の特性に応じて差別的に適用する方針だ。業界によれば、iPhone 18シリーズにはアンダーディスプレイ赤外線(IR)カメラが搭載され、同時期に投入されるフォルダブルiPhoneにはアンダーディスプレイのセルフィーカメラが採用される見通しである。これは単なるデザイン上の変化ではなく、それぞれの機器構造とユーザー体験を踏まえた戦略的決定といえる。
バータイプのiPhoneは屋外での可視性確保のため偏光板を必ず使用する。しかし偏光板は可視光線と赤外線を同時に吸収するため透過率が大きく低下し、前面カメラをアンダーディスプレイ化すると画質劣化につながる。対してIRカメラは940nm近赤外波長だけ確保すればよく、求められるのは高画質写真ではなくセキュリティ認証の精度だ。そのためiPhone 18シリーズでは、アンダーディスプレイIRカメラを採用し、フルスクリーンデザインとFace ID認証を両立させる方針である。
フォルダブルiPhoneはセルフィーカメラをUDC化
フォルダブルiPhoneでは構造が異なる。厚みと柔軟性を確保するために偏光板を取り除き、色補正フィルムや位相差補償素材で代替している。これによりディスプレイ透過率が高まり、アンダーディスプレイセルフィーカメラの導入が容易になる。カメラ性能の低下は課題として残るが、AI画像補正技術やISPの進化により十分に補完可能だ。
サムスン電子はすでにGalaxy Z Foldシリーズにアンダーディスプレイカメラを導入しており、Appleも同様の構造的利点を活かしてフォルダブルiPhoneにセルフィーカメラを採用する見通しである。
OTIソリューションの役割と2026年の転換点
この技術実装を支える鍵となるのが、カナダOTIルミオニクスのカソードパターニング素材(CPM:Cathode Patterning Material)だ。有機EL製造過程で特定領域に金属カソードが蒸着されないよう制御し、透明開口部を形成することで、アンダーディスプレイカメラやIRセンサーの安定動作を可能にする。画質を維持しつつ必要な透過性を確保できるこのソリューションは、すでに世界の主要パネルメーカーで検証済みであり、AppleもiPhone 18シリーズとフォルダブルiPhoneに採用する予定だ。
UBIリサーチの韓昌旭(ハン・チャンウク)副社長は次のように指摘する。「AppleがバータイプにはアンダーディスプレイIRカメラを、フォルダブルにはアンダーディスプレイセルフィーカメラを選択したのは、それぞれの製品構造に最適化された解決策を選んだ結果だ。2026年はAppleがアンダーディスプレイ技術を本格的に商用化する転換点になるだろう。」