2025年10月24日 — 出典:WitDisplay
IT向けからモバイル向けへ、8.6世代ラインを転用
サムスンディスプレイとSemesは、有機ELディスプレイ向けの8.6世代PIC(ポリイミド塗布機)製造装置の調達をめぐり交渉を進めている。これは、これまで主にIT製品向けに投資されてきた8.6世代生産ラインの一部をモバイル用途へ転換することを目的としている。
業界関係者によると、10月20日時点でサムスンディスプレイはLTPO TFT生産ラインの新設を検討しており、現在は主要な製造装置の調達に向けた協議が行われているという。関係者は「サムスンディスプレイは第8.6世代のLTPO装置を探している」と述べ、「量産の目標時期は来年(2026年)第4四半期」と付け加えた。
さらに同社は、日本の日新イオン機器株式会社(Nissin Ion Equipment)に対し8.6世代イオン注入装置の発注意向書(LOI)を送付していることも明らかになっている。
8.6世代有機ELラインでApple MacBook向けパネルを生産
サムスンディスプレイは現在、忠清南道牙山市において総投資額4.1兆ウォン規模の8.6世代有機EL生産ラインを建設中である。同社によれば、「2026年第3四半期頃からIT機器向け8.6世代有機ELパネルの量産を開始する予定であり、計画は順調に進んでいる」という。
報道によると、サムスンディスプレイはこの8.6世代生産ラインでAppleのMacBook Pro(2026年下半期発売予定)向けに酸化物TFT有機ELパネルを製造する計画だ。現在、この種のパネルを量産できるのはサムスンディスプレイのみであり、Appleへの独占供給が見込まれている。
なお、同社が今後Appleに対してLTPO TFTパネルを追加供給するかどうかは現時点では明らかになっていない。