中国EMT、合肥工場を中心に有機EL発光材料とPSPI事業を拡大 ― ディスプレイ素材分野で本格成長へ


2025年10月17日 UBIリサーチ

 

有機EL発光材料とLCDカラーフィルター素材の両輪で成長加速

中国のディスプレイ素材メーカーEMT(Eternal Material Technology)が、有機EL発光材料とLCDカラーフィルター素材を二本柱として売上拡大を進めている。同社の2025年の年間売上は約4億元(約90億円)に達する見込みで、そのうち有機EL発光材料(Emitter)部門が約2億元、LCDカラーフィルター用RGB素材部門が約2億元を占めている。フォトレジスト(PR)素材については、現時点でCSOTに対してRed材料のみを供給している。

 

有機EL事業では、Visionox向けに低温プロセス対応のRGB発光材料(COE向け)が評価中であり、低温OC材料はLTCを通じたOEM生産が進行中だ。これらの製品はVisionoxのV3ラインで評価が進められており、評価を通過後はEMTが自社名義で直接生産・取引を行う計画である。

 

PSPI量産を準備、合肥拠点で生産効率を高める計画

EMTは、PSPI(感光性ポリイミド)分野でも量産体制の構築を本格化させている。2025年10月頃には、VisionoxのV1ラインで少量生産を開始し、これまでRousian(柔显)の供給分を代替する見通しだ。その後、V2およびV3ラインへの展開も計画している。

 

生産体制の面では、合肥(Hefei)工場のフォトレジスト生産能力が年間3,000トン規模に達するが、現在の稼働率は50%未満にとどまっている。一方、Guan(冠)工場では月間500kgの発光材料生産能力を持ち、来年中に合肥工場へ生産を集約する計画だ。これにより、生産効率の向上と素材一貫生産体制の強化を目指す。

 

中国国内の発光材料およびディスプレイ素材メーカーの詳細については、UBIリサーチ(UBI Research)による中国動向レポートで確認できる。