中国の拓維、8.6世代OLED用の金属マスクをBOEに納品


2025年8月14日 Wit Display

 

8月11日、成都拓維高科光電科技有限公司(以下「拓維高科」)が自主開発した8.6世代ライン用金属マスク(CMM:Common Metal Mask)の初号製品が完成し、業界大手の顧客である BOE に納品されました。

 

資料によると、拓維高科はOLED用マスクおよび部品の精密再生、CMMの研究開発・製造、FMM(Fine Metal Mask:精密金属マスク)の研究開発・製造などを主な事業としており、成都と滁州に生産拠点を持ち、顧客には BOE、天馬微電子、維信諾、TCL華星光電などのパネルメーカーが含まれます。

 

金属マスクはOLEDの蒸着工程における重要材料であり、OLEDディスプレイの生産歩留まりや解像度を左右します。その主な役割は、OLED製造過程でRGBの有機物を蒸着してピクセルを形成し、必要な箇所に正確かつ精密に有機物を配置することです。現在、OLED用金属マスクは主にCMMとFMMの2種類に分かれます。

 

・CMM:開口部が大きく精度は低めで、一般的に全体膜層や金属電極、輸送層、導電層の蒸着に使用されます。

・FMM:開口部が小さく精度が高く、OLEDの発光材料蒸着に用いられます。

 

FMM分野における関連事業は、拓維高科の子会社である拓維光電材料(滁州)有限公司(以下「拓維光電」)が専門的に担当しています。拓維光電のプロジェクト総投資額は5.5億元で、主な製品はOLED蒸着用FMMであり、今年中の量産開始が見込まれています。