微玖光電、Micro LED中試ラインの本格稼働を開始 — ARと車載応用向けに量産化を加速


2025年10月16日 行家说Display

 

Micro LED中試ラインが正式稼働、ARと車載分野に照準

10月13日、微玖(蘇州)光電科技有限公司(以下、微玖光電)は、自社のMicro LED中試ラインで初回の製造装置搬入を完了し、ラインの正式稼働を発表した。この中試ラインは、AR向け小型・高PPIディスプレイや車載用ディスプレイに焦点を当てたMicro LEDの研究・試作を目的としており、Micro LEDの歩留まり監視および向上体制を構築するほか、フルカラー化における技術的課題の克服にも取り組む。

 

微玖光電は2023年に設立され、すでに複数のMicro LED関連技術の特許を発表している。今回稼働した中試ラインは、蘇州ナノシティ産業パーク内に位置し、クラス100のクリーンルームを備える。工場のインフラシステムは温湿度、清浄度、気流、圧差、静電気(ESD)など、国家基準を満たすよう厳格なテストを複数回実施しており、安定した稼働環境を確保している。

 

同社は、すでに複数のサプライチェーン企業と協業の意向を結んでおり、今後は中試ラインの本格稼働に合わせて、主力製品を顧客向けに順次投入していく方針だ。今回の製造装置搬入を機に、微玖光電はMicro LED技術の商業化を一層加速し、国内外の顧客に対して高効率かつ高信頼のソリューションを提供することを目指す。

 

 

生産・資金調達でMicro LED量産化を推進

ARグラス市場の拡大に伴い、その中核部品であるマイクロディスプレイが業界の注目を集めている。Micro LEDは、次世代ディスプレイ技術として最も期待される方式の一つである。近年、Micro LED搭載端末の商用化が進む中、業界全体は試作品段階から量産およびコスト削減のフェーズへと移行しつつある。

 

2025年には複数の企業がMicro LED AR関連プロジェクトを量産段階に進めており、行家说Displayの統計によると、少なくとも10社がMicro LED関連分野への投資を拡大しているという。

 

 

新規参入企業の増加により、現状では中試ライン中心の開発体制ながら、業界全体は着実に量産化への移行段階に入っている。今後、Micro LEDマイクロディスプレイ市場の急成長と大手メーカーの参入によって、サプライチェーンはさらに整備され、市場浸透率も高まるとみられる。

 

行家说が発表した「2025 AI+AR眼鏡光学ディスプレイ調査白書」によれば、技術の成熟に伴い、2027年にはMicro LED ARグラス市場が本格的な成長期を迎える見込みである。ディスプレイ構成も単色(グリーン)からフルカラー表示へと移行し、Micro LED光学モジュールとシリコンカーバイド(SiC)光導波路の協調成長が進むと予測されている。2027年にはMicro LED搭載ARグラスの出荷台数が200万台を突破する見通しだ。