折りたたみOLED市場、2032年に1億2,460万枚を突破へ


2025年9月11日/ Omdia

 

調査会社Omdiaの最新レポートによると、折りたたみ有機EL(OLED)ディスプレイの出荷量は2032年までに1億2,460万枚に達し、OLED全体市場の8.6%を占める見通しだ。2024年は20以上の新モデル投入によって前年比6.5%増の2,310万枚となり、2025年も1.6%増の2,350万枚と緩やかな成長が続くと予測されている。各ブランドが軽量・薄型化を競うなかで、市場は持続的に拡大する方向にある。

 

折りたたみ型デバイスは2019年の登場以来、依然として価格の高さや使い道の限定性といった課題を抱えており、主流消費者の購買意欲を妨げてきた。さらに、薄型化と性能維持を両立させることは長年にわたり製品設計上の大きな壁だった。

 

 

技術進化とアップル参入がもたらす次の成長段階

Omdiaのリサーチ責任者ジェリー・カン氏は「ディスプレイ供給各社は折りたたみモジュール全体を体系的に薄くすることで課題を克服しようとしている。6年以上の製造経験を経て、超薄型ガラスや支持フィルムなどの重要部材が最適化され、よりスリムな設計と高耐久性が実現した。これにより消費者の懸念が解消され、市場の本格普及に道が開かれている」と説明する。

 

さらにOmdiaは、2026年にアップルが折りたたみ市場に参入することが次の大きな成長の触媒になると見ている。カン氏は「アップルの参入は折りたたみ型カテゴリー全体を根本から正当化し、現行のAndroid市場を超える需要を生み出すだろう。折りたたみiPhoneの登場は市場を大きく拡大し、2026年以降の成長曲線における決定的な転換点となる」と指摘している。