2025年9月17日 文涛
成都・崇州で日東電工の新拠点が始動
9月16日、成都崇州経済開発区で日東電工の有機EL偏光板生産基地が正式に稼働を開始した。これにより成都および中国西部地域が高端ディスプレイ材料分野において重要な一歩を踏み出したことになる。プロジェクトが全面稼働した際には、年間売上高が40億元を超え、約1000人の新規雇用が生まれる見込みだ。
世界的リーダーとしての供給体制
日東電工株式会社は電子材料、ディスプレイ部材、ヘルスケアなど多くのハイテク分野で機能材料を提供する国際的な先進メーカーであり、特に偏光板や光学フィルム分野では世界をリードしている。長年にわたりBOEやTCL華星光電など主要パネルメーカーに重要素材を供給してきた実績を持つ。
中国西部における唯一の生産基地
崇州は日東電工にとって中国西部で唯一の製造拠点であり、すでに有機EL光学フィルムの量産を行っている。また成都のBOE向けにE-Mask(光学保護フィルム)分野で主要サプライヤーとなっている。今回稼働した有機EL偏光板プロジェクトは2023年2月に正式契約が結ばれ、総投資額は20億元に達する。これにより西部地域における有機EL偏光板の本地供給の空白が埋まり、地域のディスプレイ産業エコシステムがさらに充実することになる。
サプライチェーンの地元化で競争力強化
日東電工の高品質な製造装置の稼働を支えるため、崇州経済開発区ではすでに蘇州柯創電子や成都市永星辰光電科技といった関連企業を誘致している。これらの企業が光学保護フィルム、防静電パッケージなど主要資材を「地元供給・即時配送」することで、サプライチェーンのリードタイム短縮と応答力向上を実現し、日東電工の先端ラインの安定稼働を下支えする。
崇州経開区の関係者は「有機EL偏光板プロジェクトの正式稼働は、成渝地区双城経済圏における新型ディスプレイ分野の産業協調とサプライ体制を一層強化するだろう」と述べている。