青島融合光電、超大サイズ・超薄ガラス基板の新技術を突破 ― 厚さ0.2mm~1.1mmの全シリーズを実現


2025年10月9日 出典:文涛/WitDisplay

 

■ 青島融合光電、0.2mm・0.3mmの超薄大サイズガラス基板を試作成功

秋の霜が降りる季節、青島融合光電科技有限公司(以下、青島融合光電)が新たな成果を発表した。0.7mmおよび1.1mm厚のチップ封止用ガラス基板を成功裏に量産化したのに続き、同社が独自開発した0.2mmおよび0.3mmの超薄・大サイズガラス基板の試作に成功したのである。

 

これにより、青島融合光電は厚さ0.2mmから1.1mmまでの全シリーズ製品をカバーすることとなり、中国の新型ディスプレイ産業の上流を担う基幹材料分野において、同社が重要な技術的ブレークスルーを達成したことを示した。この成果は、高性能半導体封装やディスプレイ製造業の国産化と自立化に向けた新たな一歩でもある。

 

「芯屏」戦略の中核企業として、外国技術の壁を突破

青島融合光電は、青島市の重点「芯屏」(半導体とディスプレイ)産業プロジェクトの中核企業であり、海外メーカーが長年独占してきた超薄電子ガラス分野での技術的依存を打破することを目標としている。

 

今回下線(量産試験)に成功した0.2mm/0.3mmの超薄・大サイズガラス基板は、先端半導体封装やディスプレイパネルの基幹材料として高い精度と性能を要求されるものである。その特徴は以下の4点に要約される。

終端機器の高性能化を促進:スマートフォンやタブレット端末などのさらなる軽量・薄型化を実現し、透過率の向上と快適な操作性を提供する。

製造工程の革新:従来の二次研磨・減薄工程を不要とし、一体成形によって工程短縮、資源節約、環境負荷の低減を達成する。

産業コストの最適化:国外製品の価格独占を崩し、輸入依存を減らすことで国内産業全体のコストを削減する。

技術自立の実現:完全な自主知的財産権を確立し、0.2mmから1.1mmまでの全シリーズの大サイズ電子ガラスを量産化できる体制を整備した。

 

 

世界最高水準の超薄ガラス製造技術

超薄ガラス基板はディスプレイ産業の中でも最も技術的ハードルが高い分野の一つである。現在市場で主流となっている厚さは0.4~0.5mmだが、モバイル端末やフレキシブルディスプレイなどにおける軽量化・多機能化の要求が高まるなか、さらなる薄型化は避けられない流れとなっている。

 

しかし、厚さを薄くすればするほど、厚みの均一性や内部応力の制御、形状維持、温度管理などに極めて高い精度が求められる。青島融合光電の開発チームは、ガラス配合、超薄成形、精密アニール(焼きなまし)といった主要プロセスを何度も改良し、試行錯誤を重ねた結果、ついに0.2mm/0.3mmの製品化に成功した。

 

製品の主要性能指標はすでに国際先端レベルに到達しており、今後は高級スマートフォン、大型ディスプレイ、タブレット端末、車載ディスプレイ、半導体封装など幅広い分野での応用が期待される。

 

「青島智造」の推進へ ― 技術革新と産業化を加速

青島融合光電は今後も技術革新を深化させ、産業化のスピードを加速させる計画だ。同社は、高品質な国産ガラス材料の開発を通じて、中国の新型ディスプレイ産業および半導体材料分野における自主的な供給体制を確立し、「青島智造(Qingdao Intelligent Manufacturing)」ブランドを世界市場へと発信していく方針を示している。

 

同社は、「国家戦略に貢献し、地域経済の高品質発展を支える高機能素材メーカー」を目標に掲げ、BOEなどをはじめとする国内ディスプレイメーカーや半導体封装企業への安定供給を通じて、中国のサプライチェーン強化に寄与していくと述べている。