スウェーデンのPolar Light Technologiesが、ピラミッド型MicroLED技術を用いた初のマイクロディスプレイを発表


2025年5月9日 Display Daily

 

スウェーデンのスタートアップ企業であるPolar Light Technologiesが、自社の独自技術であるピラミッド型MicroLED技術を用いた初のマイクロディスプレイ試作機を製作した。このプロトタイプは、Polar Light Technologiesがボトムアップ方式で成長させた単色MicroLEDフロントプレーンと、SAPIEN SemiconductorsのCMOSバックプレーンを組み合わせた構成になっている。さらに、Finetechが精密なフリップチップボンディングを行い、パネル全体でピクセル単位の精密な位置合わせを実現させた。

 

 

同社は、今回のデモンストレーションが、これまでに同じ材料系を用いて実証された赤・緑・青のMicroLEDに基づくモノリシックRGBディスプレイへの道を開くものだとしている。

 

Polar Light Technologiesのアプローチは、エッチング工程を用いずにピラミッド型MicroLEDを下から上に成長させる方式であり、このプロセスによって、より小型で明るさと効率が向上したピクセルを実現できるとしている。さらに、この技術はサブランバート特性の発光を示し、光のローブがウェーブガイドに結合するような指向性を持つため、光学系における輝度の向上が期待できる。

 

同社は、リンシェーピング大学のPer-Olof Holtz教授の研究を起点としたスピンオフ企業であり、スウェーデン戦略研究財団およびスウェーデンのイノベーション庁Vinnovaの支援を受けて設立された。Polar Light Technologiesは、超小型ディスプレイ用途向けのウェーハレベルRGB MicroLEDアレイの供給企業として事業を展開している。