維信諾(Visionox)ViP OLEDスマートウォッチ用パネルの試作良率が90%超、スマホ用は6割に向上


SemiDisplayView 2025年8月10日

 

8月9日の情報によると、中国のディスプレイメーカーである維信諾(Visionox)は、今週開催された「DIC EXPO 2025 国際(上海)ディスプレイ技術・応用革新展」に出展し、FMM(ファインメタルマスク)を使用しない「ViPフォトリソグラフィOLED」技術によるディスプレイパネルのサンプルを展示した。

 

韓国のOLED業界メディアUBI Researchの報道によれば、維信諾の関係者は今回の展示会で、G6世代V3生産ラインで行われている試作において、ViP OLEDはスマートウォッチサイズのパネルで良率90%以上を達成し、スマートフォンサイズのパネルでも良率が約6割まで向上したと述べた。

 

維信諾は、より大型基板を用いるG8.6世代V5生産ラインでViP OLEDの量産を目指している。しかし、基板面積の違いにより、G8.6ラインでG6ラインと同等の良率を実現するには、さらなる努力が必要になる見込みだ。

 

今回、維信諾はViP技術を採用したスマートウォッチ、スマートフォン、ノートPCといった“フルラインアップ”を披露。この技術はAMOLED製品の性能を大幅に向上させ、開口率(有効発光面積比)を従来の29%から69%に引き上げ、画素密度を1700PPI以上に高めることが可能だ。また、同社のタンデム(Tandem)積層デバイス技術と組み合わせることで、従来のAMM AMOLEDに比べて寿命を最大6倍、輝度を4倍に向上させられる。高輝度・低消費電力・長寿命といった性能指標が大幅に改善され、AI時代の到来に向けた準備が整うという。

 

さらに展示会では、同社の多くの革新技術が中国国内で初披露された。これには、高効率pTSFデバイスおよび広色域pTSFデバイス、ガラス基板AMOLED超高PPIソリューション、LTPS 20Hzスマホ低リフレッシュレートソリューション、低反射COE柔性AMOLED技術、PadBending R0.1柔性AMOLED技術、自動車向けUDIR柔性AMOLEDソリューションなどが含まれ、高性能・低消費電力・フルスクリーン化の各分野で新たなアップグレードを実現している。