2025年5月2日 News Pim
ディスプレイおよび二次電池装置専門企業であるアバコは、2025年1月期(1〜3月)の暫定業績を5月2日に発表した。連結基準での売上高は252億ウォンとなり、前年同期(461億ウォン)に比べて45.3%の減少を記録した。営業損失は30億ウォン、当期純損失は7億ウォンとなり、一時的に赤字へ転じた。前四半期である2024年第4四半期(売上高1027億ウォン、営業利益66億ウォン、純利益155億ウォン)と比較しても、大幅な減少となっている。
アバコの関係者は、2025年第1四半期の業績について、主要プロジェクトの納期および売上認識のタイミングが第2四半期から反映される影響による一時的な低迷と説明した。また、今年3月末時点での受注残高が約4540億ウォンに達しており、今後の四半期業績は回復傾向を見せ、年間目標の達成も可能だと見込んでいると述べた。
さらに、前年に受注したOLEDパネル製造装置の売上が第2四半期から反映される予定であり、中国発のOLED投資の恩恵を最大化するため、今年も追加受注を目指して全社的な営業体制を強化していると明かした。アバコはFOB(本船渡し条件)時点で売上を認識しており、このため四半期ごとの売上は出荷スケジュールにより大きく変動する可能性がある。
一方でアバコは、新たな高付加価値市場への進出を目的とした装置ポートフォリオの拡充にも力を入れている。ガラス基板製造向けプラズマライン装置や、TGV(ガラス貫通電極)加工装置など、同社のコア技術が適用された装置を用いたサンプル製作を通じて、潜在顧客に技術力をアピールし、ガラス基板ベースの半導体パッケージング装置市場への本格的な参入を進めている。
あわせて、最近開発を完了し顧客向け営業を進めているメタルスパッタ(Metal Sputter)装置は、HBM向け高性能パッケージング工程に直接適用可能な戦略製品と評価されている。アバコはこの装置を通じて、グローバルな半導体顧客からの受注も期待している。
同社関係者は、AIサーバーおよび高性能半導体パッケージングにおいて、ガラス基板およびTGV技術の重要性が急速に高まっているとし、既存のディスプレイ・二次電池装置の技術力に加え、半導体パッケージング工程にまでポートフォリオを拡張することで、中長期的な成長動力を確保していくと述べた。