韓国のRaontech、0.24インチ 1440x1440 新型LCoS(液晶オンシリコン)を開発


2025年5月21日  The Elec

 

韓国のラオンテック(Raontech)は、画面サイズ0.24インチ、解像度1440×1440の新型LCoS(液晶オンシリコン)製品「P24」を開発し、潜在的な顧客企業にサンプルを供給したと20日に明らかにした。LCoSはシリコン基板上に液晶ディスプレイを配置し、入射した光の位相を変えて出力する反射型ディスプレイである。

 

ラオンテックは、「P24の画面サイズは従来製品と同様の0.24インチだが、画素数を従来の100万個から200万個(解像度1440×1440)に増加させた」とし、「新たな回路技術と製造技術を適用し、従来の4マイクロメートル(μm)級の画素技術を3μmに縮小し、画素密度8500PPI(Pixels Per Inch)を達成した」と説明した。これにより、小型サイズでも高解像度パネルの実現が可能になった。

 

Raontechは、0.24インチ、1440x1440解像度のLCoS:LC on Silicon製品「P24」を新たに開発し、潜在的な顧客にサンプルを提供したと発表した。(出典=Raontech)
Raontechは、0.24インチ、1440x1440解像度のLCoS:LC on Silicon製品「P24」を新たに開発し、潜在的な顧客にサンプルを提供したと発表した。(出典=Raontech)

 

P24は、グローバル通信モデム企業の拡張現実(AR)専用プロセッサと互換性を持つよう設計されており、ラオンテックの既存スマートグラス顧客が容易に活用できると期待されている。また、XR(拡張現実)ディスプレイ業界が小型・軽量のスマートグラスを目指し、高PPI技術の開発競争を展開しているという点も強調した。

 

ラオンテックは、「P24の発売により、LCoS、OLEDoS、LEDoSなどマイクロディスプレイ技術のポートフォリオを拡張した」とし、「低解像度の情報表示型スマートグラスと超高解像度のスマートグラスの両分野を同時に攻略している」と述べた。ラオンテックは先週、米国で開催されたSID展示会にてP24を含むマイクロディスプレイ製品群を披露した。

 

ラオンテック代表のキム・ボウンは、「現在のスマートグラス試作機は、画素数30万個前後のマイクロディスプレイを使用しており、この程度の解像度は視野角20〜30度程度で簡単な情報を表示する用途に適している」と述べた。

 

さらにキム代表は、「メタのOrionのように視野角が70度を超える大型画面XR機器には高解像度マイクロディスプレイが必要だ」とし、「P24はハイエンドスマートグラスに最適である」と強調した。そして、「高解像度、世界最小サイズ、世界最小電力効率を兼ね備えたP24が次世代ARグラスの新たな基準になる」と期待を示した。