2025年6月9日 UBIリサーチ
フォルダブルデバイス市場は、スマートフォンだけでなく、タブレットやラップトップといった中型から大型ディスプレイの分野へと急速に拡大している。最近では、AmazonとHuaweiがフォルダブルタブレットおよびノートパソコン製品の開発・発売を開始し、市場拡大の大きな一歩を踏み出している。Appleも2027年以降にフォルダブルタブレットPCの発売を準備中と報じられている。
Amazonは11.3インチのフォルダブルタブレットPCを開発中で、ディスプレイパネルはサムスンディスプレイのB12ラインから供給される。この製品は2026年第1四半期に最初のサンプルが提出され、同年4月に量産開始予定である。予定生産台数は約100万台で、カバーウィンドウ素材にはUTG(Ultra Thin Glass)が採用される予定である。
一方、Huaweiは5月19日に同社初のフォルダブルノートパソコン『MateBook Fold』を正式に発売した。この製品は展開時18インチ、折りたたみ時13インチで使用可能で、解像度は3.3K、画面比率は4:3である。重量は1.16kgで、展開時の厚さはわずか7.3mmである。ディスプレイは中国のOLEDパネルメーカーであるTCL CSOTが供給し、LTPOとタンデム構造を採用し、従来比で約30%の電力消費を削減した。また、Token UTGをベースにした1.5mmの折り曲げ半径設計により、耐久性も大幅に向上させた。実際、耐衝撃性能は従来比で約200%向上しているという。
Appleも現在フォルダブルタブレットの開発を進めており、早ければ2027年、遅くとも2028年には発売される見込みだ。AppleのフォルダブルタブレットPC用パネルは、サムスンディスプレイが最初のサプライヤーになると予想されている。業界関係者は、アップルの参入が中型から大型のフォルダブルディスプレイ市場の成長の起爆剤になると考えている。
これまでスマートフォンに限定されていたフォルダブルデバイスは、現在ではタブレットやノートパソコンなどに拡大しつつあり、新たな需要層を生み出している。このシフトは、関連ディスプレイ技術と部品のエコシステムの進化を加速させている。