EverDisplay(EDO)、OLEDラインの改修と新規投資...利益改善と香港上場目標


2025年5月16日  UBI Research

 

中国のOLED専門企業であるエバーディスプレイ・オプトロニクス(Everdisplay Optronics、以下EDO)が、収益改善と将来的な香港証券取引所への上場を目指して取り組みを加速させている。EDOは最近、自社の生産ラインを日本のアルバック(Ulvac)の蒸着装置を用いたタンデム構造のOLEDパネル製造に最適化する形で改造作業を進めている。

 

タンデム構造とは、二層以上の発光層を積層する技術であり、電力効率と寿命に優れていることから、現在ハイエンドOLED製品に積極的に採用されている。EDOはすでにHuaweiのタブレット向けにタンデムOLEDパネルを生産した実績があり、該当の生産ラインは現在黒字運営がなされているとされている。

 

しかし、EDOのOLED全体事業部門では依然として赤字が続いている。このため、EDOは収益性の改善および中長期的成長戦略の一環として、追加の設備投資に踏み切っている。今回の設備投資は、タンデムOLED技術の量産体制を強化し、とりわけ中大型OLED市場を見据えた生産能力の確保を目的としている。

 

2024年時点において、EDOの中大型OLED出荷量は約190万台と推定されており、そのうち約6~7%は車載用ディスプレイパネルに相当する。残りの大部分はタブレットPC向けOLEDパネルが占めている。近年の車載向けOLED需要の増加傾向と相まって、今後は自動車分野の比重が徐々に拡大していく可能性が高いと分析されている。