Visionox、V5ラインの「ViP+FMM」への並行投資を確認...5月22日 サプライヤーミーティング予定


2025年5月9日 UBIリサーチ

 

中国のディスプレイメーカーであるVisionoxが、V5 OLEDラインの技術方針を確定させ、自社独自の蒸着技術であるViP(Visionox intelligent Pixelization)と、従来のFMM(Fine Metal Mask)方式の両方にそれぞれ7.5K規模のキャパシティで投資を進めることを決定した。まずViP方式への7.5K投資が先行し、FMM方式への投資は約6か月後に順次進める計画である。

 

ViPはフォトリソグラフィーに基づく高精度な蒸着技術で、FMMを使用せずとも高解像度OLEDの実現が可能であるという点から、Visionoxが将来の生産競争力確保を目指して重点的に開発してきた中核技術である。ただし、歩留まりの問題によりViP単独での量産は依然として課題が残っており、今回のV5ラインではFMM方式との併用戦略が採用された。

 

この関連で、Visionoxは5月22日に中国の合肥市で供給業者向け会議を開催する。この会議には地方政府関係者も招待されており、これを通じてV5ラインに関連する投資資金の問題もまもなく解決されると見込まれている。

 

Visionoxのこうした動きは、グローバルOLED業界における第8.6世代OLEDへの投資動向と重なり、注目されている。サムスンディスプレイは韓国・忠清南道の牙山において、第8.6世代IT向けOLEDライン(30K)を構築中であり、来年下半期の量産を目指してアップルのiPadやMacBook向けパネルの供給準備を進めている。BOEもまた、中国・成都の第8.6世代OLEDラインにおいてスマートフォン用OLEDパネルおよび中国国内向けIT用OLEDパネルの生産を目標に投資を進めている。

 

UBIリサーチのアナリストであるキム・ジュノは、「まだ歩留まりや技術レベルの改善が多く必要とされるが、VisionoxはViP技術を通じて生産効率と差別化された技術競争力の確保を狙っていると解釈される」と分析した。

 

UBIリサーチの中国動向レポートは、中国ディスプレイメーカーの最新情報、中国OLEDパネルメーカーの出荷量データ、投資装置に関する公示内容などを含んでいる。