中国企業によるAIメガネ製品の発売が加速、激化するAIメガネ競争


2025年7月3日 UBIリサーチ

 

AI技術のソフトランディングが進む中、本格的なAI時代が幕を開けています。昨年に続き、2025年にはAIメガネ製品のリリースがさらに活発化している傾向です。AIとAR技術の発展と融合により、昨年から始まった流れが、2025年に入り本格的に花開きつつあります。Appleのスマートグラスが2027年末に発売されるという噂も流れており、AI戦争の勝者を目指すビッグテック企業の競争が一層激しくなっています。

 

「AI」はCES 2025のハイライトであり、AIスマートグラスは注目の中心の一つでした。Vuzix、Rokid、Goertek、RayNeoなどの企業は、マイクロLEDを採用した新型AIメガネを発表しました。TCL RayNeo X3 Proモデルは、第2四半期(Q2)時点での量産開始が発表されています。

 

シャオミ、AIスマートメガネを発表 ― メタに衝撃

6月26日、シャオミは北京で新製品発表会を開催しました。このシャオミのAIスマートグラス発表は、Ray-Ban Meta(メタ)に少なからぬ衝撃を与えたことでしょう。

 

シャオミ AIメガネ(写真=Xiaomi)
シャオミ AIメガネ(写真=Xiaomi)

 

シャオミのAIメガネは、「次世代のパーソナルスマートデバイス」を目指す製品で、音声とタッチによる操作が可能な一方、ディスプレイ機能は非搭載。音声通話、写真撮影、動画録画などの機能を備えています。

・価格は基本モデルが280ドル(1999元)から

・上位モデル(調光レンズ付き)は最大420ドル(2999元)

・比較対象となるRay-Ban Meta(メタ)AIメガネの価格は299ドルから

 

メタ vs シャオミ:スペック比較と課題

メタのメガネと比較すると、シャオミのメガネはハードウェア性能が優れています。たとえば:

・1200万画素のIMX681カメラセンサーを搭載

・フレーム重量は40gで、メタ(48g)より軽量

・バッテリー寿命も長く、シャオミは最大8時間(メタの2倍)

ただし、課題はアプリやSNSとの連携。FacebookやInstagramなどソーシャルコンテンツとの統合エコシステムが未成熟な点が弱点とされます。

とはいえ、中国メーカーは今後こうした技術的な不足を補完しつつ、世界のAIメガネ市場での競争がさらに激化すると見られています。