2025年7月24日 The Elec
業界では650万~660万台と推定…昨年は570万台
年間黒字転換の可能性を示唆…「上半期は期待を上回った」
LGディスプレイが「今年、大型有機EL(OLED)の出荷台数が600万台中盤になる」と明らかにした。テレビ用とモニター用を合わせた合計で、昨年の出荷量570万台より10%以上増加する見通しだ。
LGディスプレイは、24日に行われた第2四半期の決算発表後のカンファレンスコールで、「米国の関税問題やマクロ経済など外部環境の不確実性は大きいが、現在、大型OLEDは計画通り出荷中」とし、「現時点での年間予想出荷量は前年比増の600万台中盤」と述べた。さらに「OLEDテレビおよびモニターの両方で、パネル出荷および完成品販売が量的に前年比で拡大している」と付け加えた。
また、「最近、大型OLEDの需要においてはテレビ以外にゲーミング製品などモニターの比重が高まっている」とし、「今年の大型OLED出荷のうち、モニターの比率は10%を超える見通し」と明かした。
具体的な数値は非公開だったが、部品業界では、今年のLGディスプレイによる大型OLED出荷を、テレビ用が約580万台、モニター用が70万~80万台で、合計650万~660万台と推定している。これは、昨年のテレビ用520万台+モニター用50万台=合計570万台より、80万~90万台多い数値だ。なお、2023年の出荷量は410万台だった。
LGディスプレイの大型OLED事業は10年以上の歴史があるが、これまで黒字を記録したことはない。ただし、中国・広州のOLED工場の減価償却が今月で終了するため、稼働率と販売量が上がれば赤字幅を縮小できると見られている。LGディスプレイはコスト競争力の面から、国内の坡州(パジュ)工場よりも広州工場でより多くの大型OLEDを生産している。主要な顧客企業はLG電子、サムスン電子、ソニーなどで、とくにサムスン電子のOLEDテレビ出荷量が重要となる。
LGディスプレイは「大型OLED事業は、製品競争力の強化、製品ラインの多様化、コスト革新を通じて、収益性において前四半期より目に見える成果を得た」とし、「グローバルトップティアの顧客との強固なパートナーシップを構築し、成長と収益性の両面で安定した成果を出していく」と述べた。
今年3月の株主総会で、チョン・チョルドンLGディスプレイ社長は大型OLED事業の採算性改善への意欲を表明した。当時、「大型OLED事業は、強化された顧客構造を基に超大型やゲーミング向けの販売を拡大し、コスト革新によって今年中に黒字構造へ転換できるよう努力する」と述べた。記者からの追加質問には「年末に成果が出たら改めて話す」と短く答えた。
今回のカンファレンスコールでは、年間黒字転換の可能性も示唆された。LGディスプレイは「年初に『今年は必ず黒字を達成する』と申し上げた」とし、「事業計画ベースでは、上半期の業績が期待以上だった」と自評価した。さらに「上半期には前年比で約5,000億ウォンの業績改善があった」と述べ、「下半期も売上に比例して同程度の改善を期待している」と述べた。
第2四半期のLGディスプレイの業績は、売上5兆5,870億ウォン、営業損失1,160億ウォン、当期純利益8,907億ウォン。前年同期比で売上は16.7%減、営業損失は拡大したが、当期純損益は黒字転換した。市場コンセンサスと比較すると、売上(5兆5,870億ウォン)はコンセンサス(5兆6,734億ウォン)をやや下回り、営業損失(1,160億ウォン)は予想(1,020億ウォン)よりやや大きかった。一方、当期純利益(8,907億ウォン)は、2,546億ウォンの赤字を予想していた市場の予測を大きく上回った。これは為替差益の改善や広州LCD工場の持分売却益などが反映されたためである。