ジャパンディスプレイ、世界第3位のディスプレイメーカーHKC との戦略提携覚書(MOU)締結


2023年4月10日 株式会社ジャパンディスプレイのプレスリリース

 

当社は、世界第 3位の生産出荷規模を誇るディスプレイメーカー惠科股份有限公司(広東省深圳市、以下「HKC」といいます。)との間で、グローバル戦略パートナーとして次世代 OLED ディスプレイ技術の推進と工場建設、グローバルイノベーション・インダストリアリゼーションセンター及びハイエンド車載ディスプレイ業務に関する戦略提携覚書(以下「本 MOU」といいます。)を 2023 年 4 月 7日付で締結いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。

 

1. 本 MOU 締結の背景と目的

当社は、2022 年 5 月に、世界で初めてマスクレス蒸着とフォトリソを組み合わせた方式で画素を形成し、輝度・寿命を大幅に高める次世代 OLED「eLEAP」の量産技術を確立いたしました。同年 8月にはサンプル出荷を開始し、量産を 24 年中に予定しております。また、22 年 3 月には、世界で初めて第 6世代量産ラインにおいて、従来の酸化物半導体薄膜トランジスタと比較して電界効果移動度が 2~4 倍以上となるバックプレーン技術「HMO」(High Mobility Oxide)の開発に成功しており、早期の量産化を目指しております。eLEAP と HMO は、それぞれ従来の技術では達成できなかった高輝度・長寿命・消費電力の低減を実現するとともに、既存生産プロセスを基礎から簡素化・最適化することで低コスト生産を可能といたします。有機材料の使用量削減及び大幅な CO2 排出量削減を実現する GreenTech でもあります。

 

当社は、この eLEAP と HMO が、ディスプレイデバイスに革新的進歩をもたらすものと考え、他

社にもこの技術を提供することにより、既存技術を超えた圧倒的なコストパフォーマンスを有する新しいグローバルディスプレイ・エコシステムの構築を目指しております。

 

HKC は、近年、大型ディスプレイ分野において急速な成長を遂げているエレクトロニクスメー

カーであり、近い将来、中国での上場も企図している優良企業です。同社は、2017 年以降、中国の重慶、滁州、綿陽、長沙にて次々と第 8.6 世代ディスプレイ工場での量産を開始して売上を急拡大しており、強力なコスト競争力、販売力、機動力、更には資金力も有しています。

今般、当社と HKC は、当社の「世界初、世界一」独自技術及び生産技術力、HKC のコスト競争力及び販売力、並びに両社の人材力の融合が、両社の企業価値の飛躍的向上に資するとの考えで一致し、本 MOU を締結いたしました。

 

2. 本 MOU の内容

本 MOU において、当社と HKC は、以下の事項に関して 2023 年 6 月を目途とした最終合意締結に向けた協議を進めることを合意しております。

 

1. JDI と HKC は、グローバル戦略パートナーとして、次世代 OLED「eLEAP」、共同開発セン

ターGI2C(グローバルイノベーションアンドインダストリゼーションセンター)、ハイエンド

車載ディスプレイ事業などについて、長期的・全面的・深い協力を合意いたしました。

 

2. 両社は、世界最先端の eLEAP 工場を共同で計画・建設し、2025 年内の量産開始を目指します。

 

3. 双方は、世界をリードするハイエンドディスプレイソリューションの総合サービスプロバイ

ダーとして成長することに共同して取り組み、次に掲げる市場のミドル・ハイエンド分野にお

ける中長期的な戦略的発展目標の達成に取り組みます。

(1)ウェアラブル:2027 年に出荷量及び市場シェア、世界 1 位

(2)車載:2028 年に出荷量及び市場シェア、世界 1 位

(3)VR:2028 年に出荷量及び市場シェア、世界 1 位

(4)モニター製品:2028 年に出荷量及び市場シェア、世界 1 位

(5)ノートブック及びタブレット:2028 年に出荷量及び市場シェア、世界 3 位