有機ELテレビのQD-OLED TVとWOLED TVの比較


2023/04/03 UBIリサーチのWeekly Display Industry Analysis Report

 

サムスンディスプレイはCES 2023で65インチと77インチのQD-OLED TVを展示し、2023型QD-OLED TVと2023型WOLED TVのRGB別最大輝度と色再現率を比較した。

 

2023年から生産されるQD-OLEDは2022年製品対比明るさはaverage picture level(APL)3%基準で1,500nitから2,000nit以上に、信頼性は2倍以上に向上し、電力消耗は一部減少した。

 

カナダのアルティングス(RTINGS.COM)は2022年11月からLG電子のWOLED技術が適用されたOLED TV C2とQD-OLED技術を使用するサムスン電子のOLED TV S95Bを対象に画質比較と寿命テストを行った。

 

22年製品の画質テストで色はSamsung S95Bがより明るく、HDRコンテンツでより広い色域を表示できると評価した。

 

寿命加速テストでS95Bはテスト開始から2ヶ月でバーンイン現象が発生したが、WOLED技術が適用されたOLED TV C2はバーンイン現象がなく、サムスンQD-OLED S95BがWOLEDよりバーンインに脆弱だと見られる。

 

23年に発売されたサムスンQD-OLED S95CのSDRピーク明るさは385ニットで、明るい室内環境で十分な視認性を確保しながら、22年SDRピーク明るさの423ニットよりは低く、Automatic Brightness Limiter(ABL)を強く設定してバーンインに対応したものと見られる。

 

LGがOLED-TV量産経験を通じて持続的に改善してきた点を勘案すれば、サムスンの第1世代QD-OLED TVのバーンイン問題はQD素材の本質的な問題というよりBlue発光素材の発光効率と寿命、光抽出効率改善素材および光学構造、駆動アルゴリズムなどの最適化によって改善されることが予測できる。

 

サムスンとLG電子のOLEDテレビ競争で、消費者は当分、第2世代QD-OLEDのバーンイン改善に注目するだろう。 素材、構造、駆動などの技術開発競争が激しくなるほど、OLED-TVの性能は良くなり市場が拡大することを期待する。

 

UBIリサーチが最近発行した「2023中大型OLED Display年間報告書」にはQD-OLEDの開発予想ロードマップと量産キャパと投資時点などを詳細に分析し「AMOLED製造工程報告書」にはQD-OLEDの細部構造と製造工程を報告した。2022年末から量産された第2世代QD-OLEDの緑色層には発光効率改善のために緑色層にG'とaETLが新規導入され、Blue発光素材の開発展望、光抽出効率改善素材および光学構造などについても分析し持続的に内容をupdateしている。