世界のミニLEDパネル出荷量は、2025年までから停滞


○2023.02.02 The Elec

 

ミニLEDパネル出荷量全体は2024年までは成長が継続するが、2025年からは停滞するという予測される。AppleがタブレットとノートパソコンにOLEDパネルを適用するという計画を立てたからである。その中で、テレビとモニター用ミニLEDパネルの出荷量は2027年まで着実な成長が予想されている。

 

市場調査会社DSCCによると、ミニLEDパネル出荷量は、2023年で2447万台、2024年では3023万台で、それぞれ前年比13%、24%で成長すると予想された。しかし、2025年から2027年の間には年間出荷量が3000万台水準で大きな変化がないと予想された。

 

テレビとモニター用ミニLEDパネル出荷量は2027年まで着実な成長が予想されたが、ノートパソコン用ミニLEDパネル出荷量は2024年にピークを記録して徐々に減少すると予想された。タブレット用ミニLEDパネルの需要はすでに2023年から減少し、2025年には非常に小さくなると推定された。

 

これはアップルが来年に有機EL(OLED)iPad(タブレット)、2025年にOLEDマックブック(ノートブック)を発売する計画を立てたためだとDSCCは説明した。タブレットやノートパソコン用のミニLEDの需要はアップルが鍵である。Appleは2021年にミニLEDを適用したiPadとMacBookを初めて発売した。

 

サムスン電子ミニLED TVネオQLED 8Kの2022年モデル 出典:サムスン電子
サムスン電子ミニLED TVネオQLED 8Kの2022年モデル 出典:サムスン電子
2021~2027年 応用先別ミニLEDパネル出荷量の予測 出典:DSCC
2021~2027年 応用先別ミニLEDパネル出荷量の予測 出典:DSCC

一方、テレビとモニター用のミニLEDパネルの需要は2027年まで着実に成長すると予想された。サムスン電子をはじめとする主要テレビメーカーがミニLEDテレビを積極的にプロモーションしている。ノートパソコンとタブレット用ミニLEDパネルの需要が減少し、2026年からはテレビとモニター用ミニLEDパネルの出荷量が全体の半分を超えると期待された。

 

DSCCは、ミニLEDがタブレットやノートパソコン、モニターなどのIT製品やテレビのほか、AR・VR機器と車両、医療機器などでアプリケーションを広げていると評価した。ミニLEDを適用した車両用インテリジェントヘッドランプ(ADB:Adaptive Driving Beam)は、前方で運行する車両や反対車線から出てくる車両走行状況に合わせてヘッドランプを精密に制御することができる。サムスン電子のピクセルLEDとソウル半導体のワイカプADBなどが代表的だ。ドイツのポルシェも最近、車両用ADBを適用した。

 

2022年のミニLEDパネル出荷量は2164万台で前年比121%であった。2022年第4四半期のApple iPad用ミニLEDパネル出荷量は160万台、MacBook Pro用ミニLEDパネル出荷量は220万台だった。アップルがこの市場最大の需要先である。

 

2021年はアップルのミニLEDのiPadとMacBook、サムスン電子のミニLEDテレビなどの発売が開始された年だった。当時、業界ではこの2社がミニLEDパネル市場開花をリードすると期待していた。