55インチOLEDパネル価格が約2000元に下落、テレビ市場の競争構造が変化


掲載日:2026年3月10日

出典:WitDisplay

 

テレビ用有機ELパネルの価格が急速に下落しており、テレビメーカーの製品戦略に新たな影響を与えている。大画面OLEDテレビパネル市場で世界的リーダーであるLG Displayは、OLEDパネルの歩留まりをLCDパネルと同等のレベルまで安定させ、価格競争力を大幅に高めることに成功した。

 

従来、テレビメーカーは高価格帯では大型OLEDテレビを提供し、中低価格帯ではLEDテレビを販売するという製品構成を採用してきた。しかし最近、Samsung Electronicsが世界初のLCDベース「Micro RGB」テレビを発表したことで、テレビ市場は再び技術転換の局面に入りつつある。

 

OLEDパネル価格下落と低価格OLEDテレビの拡大

 

OLEDパネルの価格下落により、中低価格帯のOLEDテレビの普及が新たな市場機会として注目されている。テレビメーカー各社の技術戦略や販売戦略も、この価格変化を背景に再検討されている。

 

2020年頃には、65インチOLEDパネルの価格は1000ドルを超えていたが、2025年末には約600ドルまで下落した。さらに2026年末には500ドルを下回る可能性があると業界では予測されている。

 

2026年3月10日に業界関係者が明らかにしたところによると、日本のPanasonicは最近、LG DisplayのOLEDパネルを採用した新型テレビの発売を発表した。この製品には「OLED SE(Special Edition)」パネルが採用されており、既存のOLEDパネルよりも30〜40%低価格で供給される。市場では、55インチOLED SEパネルの価格は約300ドル(約2060元)程度と見込まれている。

 

Panasonicは新製品発表会において、このモデルを「史上最も手頃な価格のOLEDテレビ」として位置付けている。このテレビに採用されるOLED SEパネルは、2026年初めに開催されたCES 2026で初めて公開された技術である。

 

このパネルはハイエンドOLEDパネルに比べて輝度はやや低いものの、OLEDの特徴である純粋な黒表示、高速応答時間、広視野角といった利点を維持している。同時に価格競争力を大幅に高めた点が特徴となっている。

 

Panasonicの新型テレビの具体的な販売価格はまだ公表されていない。しかし、既存の高級LCDテレビ(55インチモデル)と同程度の約100万ウォン前後で販売できれば、エントリーOLEDテレビ市場が急速に拡大する可能性があると見られている。

 

 

中国メーカーとの競争激化とテレビ市場の戦略転換

 

OLEDテレビの価格引き下げの背景には、中国メーカーとの競争激化があると分析されている。

 

現在、高級テレビ市場ではSamsung ElectronicsがOLEDテレビやQLEDテレビで主導的な地位を維持し、LG ElectronicsはOLEDテレビを主力として市場を拡大している。一方、中国の主要メーカーであるTCLやHisenseは、MiniLED RGBやMicro RGBなどの技術を採用した低価格テレビで市場シェア拡大を狙っている。

 

市場調査会社Omdiaのデータによれば、TCLなど中国メーカーの世界市場シェアの合計はすでにSamsung ElectronicsとLG Electronicsを上回っているとされる。

 

この状況に対抗するため、韓国の家電メーカーもOLEDパネルを活用した高級モデルとエントリーモデルの両方を展開する戦略を進めている。Samsung Electronicsは2025年以降、LG Displayから調達するW-OLEDパネルの発注量を増加させている。また同社はCES 2026で100インチの超大型Micro RGBテレビを発表した。

 

LG Electronicsも2026年中にOLED SEパネルを採用したエントリーOLEDテレビを発売する予定である。このモデルは「evo」ブランドとして販売され、同社の最上位シリーズ「Signature」よりも下位の価格帯に位置付けられる見込みである。

 

業界関係者によれば、Samsung Electronicsはこれまで重点的に推進してきた量子ドット(QD)テレビ戦略から、Micro RGBテレビや大型OLEDテレビへと戦略の重点を移しつつある。ただしMicro RGBテレビはLCDパネルを使用するため、中国メーカーからパネルを調達する必要があるとされる。

 

ある業界関係者は「これまで韓国の家電メーカーはテレビ市場において、市場シェアよりも高級製品による利益確保を重視してきた。しかし中国メーカーの技術力向上により、製品差別化の重要性がますます高まっている。テレビ市場の主導権争いは今後さらに激化するだろう」と指摘している。