LG電子、ISE 2026でB2B戦略を前面に提示、「ディスプレイを超えたソリューション」へ進化する商業用プラットフォーム


2026年2月3日 / 出典:THE ELEC

 

LG電子は、欧州最大級のディスプレイ展示会「ISE 2026」において、従来の商業用ディスプレイ事業を超え、ソフトウェアとAIを融合したB2Bソリューション戦略を全面に打ち出した。「ディスプレイを超えたソリューション」をテーマに、単なる表示機器ではなく、実際の業務現場で機能する統合型プラットフォームとしての価値を訴求している。

 

実使用環境を再現した1184㎡の大規模展示

LG電子は、2026年2月3日から4日間、スペイン・バルセロナで開催されるISE 2026において、1184平方メートル規模の展示ブースを運営している。展示の最大の特徴は、B2B顧客の実際の利用シーンを忠実に再現した点にある。

 

展示空間は、ホテル、管制室、会議室、学習空間、ドライブスルーといった用途別に構成されており、来場者は業種ごとの具体的な活用イメージを体感できる。ホテル向けゾーンでは、運営効率と顧客体験の向上を両立する商業用ディスプレイソリューションを提示し、管制室では統合セキュリティシステム「LGシールド」を適用した事例を紹介している。AI機能を搭載した電子黒板は、教育や会議用途を中心に、実運用に即した活用方法が示された。さらにドライブスルーゾーンでは、外部からの衝撃や気候変化に耐える高耐久ディスプレイが披露された。

 

LG電子は、ISE 2026において「ディスプレイを超えたソリューション」をテーマに、1184平方メートル規模の展示館を運営している。(出典:LG電子)
LG電子は、ISE 2026において「ディスプレイを超えたソリューション」をテーマに、1184平方メートル規模の展示館を運営している。(出典:LG電子)

 

ハードウェアからプラットフォーム・ソフトウェアへ軸足を移行

今回のISE 2026で、LG電子はハードウェア単体の性能競争よりも、プラットフォームとソフトウェアを中心とした戦略を明確に打ち出した。中核となるのは、商業用ディスプレイの運用・管理を一元化する自社プラットフォーム「LGビジネスクラウド」である。

 

展示ブース内には、韓国および海外のKブランドと協業した店舗型展示が設けられ、実際の店舗運営環境が再現された。LG生活健康の高級化粧品ブランド「The History of Whoo(ドフー)」、パリバゲット、オーロラワールドのキャラクターブランド「Palm Pals(パムパルズ)」、ボクスンドガ、サムヤン食品の「ブルダック」、韓国観光公社などとの協業空間では、スタンバイミー、透明有機EL、キオスク、EペーパーといったLG電子の商業用ディスプレイが、実際にどのように店舗に組み込まれるのかを具体的に確認できる構成となっている。

 

AI・低消費電力技術を軸に新製品・新ソリューションを披露

LG電子は、ISE 2026で複数のソフトウェアソリューションも公開した。「LGコネクテッドケア」は、複数店舗のサイネージを遠隔で統合管理し、エネルギー使用量とその予測値を可視化するソリューションである。「LGサウンドキャスト」は、サイネージと来店客のスマートフォンを連動させ、位置情報に基づいた案内や広告配信を可能にする。「LGスーパ―サイン」はAIを活用してコンテンツ制作と配信を簡素化し、小規模事業者でも利用しやすい点を特徴としている。

 

製品面では、発売を控えたマイクロLEDサイネージ「LGマグニット」が披露された。前面にブラックコーティングを施すことでコントラストと色再現性を高め、キャビネット構造を簡素化することで設置難易度を低減している。また、一部画素に不具合が生じても画質劣化を最小限に抑えるLTD(Line To Dot)技術を採用し、運用の安定性を高めた。

 

加えて、超低消費電力の商業用Eペーパーも公開された。電力供給がなくても画面表示を維持できるため、エネルギーコスト削減が求められる店舗や公共空間での活用が期待されている。展示館入口には、大型LEDタワーと透明メッシュLEDによるメディアファサードが設置され、LG電子の商業用ディスプレイ技術力を象徴的に演出した。

 

LG電子MS事業本部の朴亨世(パク・ヒョンセ)本部長は、「ハードウェア競争力に加え、ソフトウェアソリューションの強化を通じて、商業用ディスプレイ市場でのリーディングポジションを確立していく」と述べ、B2B市場における中長期戦略への自信を示している。