発行日:2026年7月14日
出典:ET News
LGディスプレイが第6世代有機EL(OLED)薄膜トランジスタ(TFT)工程向けの製造装置投資に乗り出す。これは2026年4月に発表した約1兆1060億ウォン規模の新技術インフラ投資の一環であり、蒸着工程に続きTFT分野でも製造装置の確保を進めることで、研究開発(R&D)から将来的な量産まで対応可能な統合ラインの構築を目指す動きとみられる。
坡州AP5ラインで進む第6世代TFT投資計画
業界関係者によると、LGディスプレイは早ければ2026年7月末から、坡州事業所で実施する第6世代有機EL TFT製造装置投資に関する審議を開始する予定である。本投資は坡州AP5ラインに構築される新技術インフラの一部であり、次世代ディスプレイ技術の開発および生産基盤の強化を目的としている。
関係者は「今回の投資はスパッタリング、化学気相成長(CVD)、熱処理装置などTFT工程に必要な主要製造装置を段階的に導入する計画」と説明している。
主要製造装置サプライヤーの構図
業界では、スパッタリング装置はAVACO、CVD装置はジュソンエンジニアリング、炉(ファーネス)などの熱処理装置はビアトロンが供給を担当する可能性が高いと見られている。これら企業はいずれもこれまでLGディスプレイ向けに製造装置を供給してきた実績を持ち、今回の投資においても有力なパートナーと位置付けられている。
LGディスプレイはこうした既存サプライチェーンを活用しながら、安定した設備導入と工程最適化を図る戦略を取るとみられる。
有機EL生産体制の高度化と戦略的意義
今回のTFT製造装置投資は、単なる設備増強ではなく、有機EL生産体制全体の高度化を狙ったものといえる。蒸着工程とTFT工程を一体的に整備することで、開発スピードの向上と量産移行の迅速化が期待される。
特に第6世代ラインは、中小型ディスプレイ市場において重要な位置を占めており、スマートフォンやIT機器向けの有機EL需要拡大に対応するための基盤として機能する。
今後の市場競争と技術主導権
ディスプレイ業界では、サムスンディスプレイをはじめとする競合企業も次世代有機EL技術への投資を加速させている。こうした中、LGディスプレイの今回の投資は、技術主導権の確保と市場競争力の強化に直結する重要な戦略となる。
今後、第6世代ラインにおける新技術の適用範囲や量産時期、さらにはフレキシブルディスプレイやリジッドOLEDへの展開などが注目される。