ADAS高度化で進化する車載ディスプレイ、革新的UXプラットフォームへ


日付:6月16日

出典:UBIリサーチ

 

6月16日に開かれた第1回自動車ディスプレイ産業発展フォーラムで、LGディスプレイは「車載用ディスプレイ開発動向」をテーマに、車載ディスプレイの役割変化と今後の技術方向を提示した。発表によれば、2020年以降、ADAS(先進運転支援システム)の機能拡大と自動運転技術の発展によって、ドライバーの運転負担は段階的に軽減されている。その流れの中で車室内では、単に走行情報を表示するための画面ではなく、エンターテインメント、同乗者体験、さらにインテリアデザインと結び付いた新しいディスプレイ需要が急速に高まっているという。

 

車載ディスプレイは情報表示機器から車内体験の中核へ

従来の車載ディスプレイは、ナビゲーションやクラスターを中心とした長方形パネルが主流であり、重視されてきた性能要件も、コントラスト、輝度、解像度、信頼性、耐久性といった基本特性が中心だった。しかし最近では、ディスプレイそのものが車室内デザインの核心的要素として位置付けられている。円形、六角形、曲面型、スライダブル、透明ディスプレイなど、多様なフォームファクターが登場しており、従来は7~8インチ中心だったサイズも12インチ以上へと大型化している。さらに、クラスター、CID、PIDの領域を一つの大型パネルに統合するマルチパーパスディスプレイや、P2P(Pillar to Pillar)形態の大面積ディスプレイ開発も増えている。

 

 

応用領域も大きく広がっている。車載ディスプレイは、もはやクラスターやCIDにとどまらず、助手席向けPIDまたはCDD(Co-driver Display)、後席エンターテインメントディスプレイ、コントロールパッド、e-Mirrorにまで拡大している。特にプレミアム車を中心に、助手席の乗員や後席乗員に向けたエンターテインメント機能への要求が強まっており、車載ディスプレイは走行情報端末から総合的なUXプラットフォームへと変わりつつある。これは今後の自動車ディスプレイ市場において、単純なパネル性能競争ではなく、車内体験の質そのものを左右する重要な差別化要素になることを示している。 

 

プライバシー制御、デュアルビュー、透明ディスプレイが次世代競争を主導

技術面では、助手席ディスプレイに表示される映像がドライバーの視野に入らないよう制御するSPM(Switchable Privacy Mode)が注目を集めている。従来のLCF(Light Control Film)は特定方向の光を遮断できるものの、オン・オフ制御ができないという制約があった。そのため現在は、バックライト制御、PDLC、電気泳動、デュアルセルなどを活用した能動型プライバシー技術の開発が進められている。これは安全性とエンターテインメント性を両立するための中核技術として位置付けられている。 Source

 

また、一つのパネル上でドライバーと同乗者が異なる画面を同時に見ることができるデュアルビュー技術も、CID領域を中心に検討されている。ドライバーは走行情報や制御情報を確認しながら、同乗者は同じパネルを使って映像コンテンツを楽しめるため、車内エンターテインメント体験を大きく拡張できる。さらに安全機能の面では、UDIR(Under Display IR)技術も開発されている。これはディスプレイ下部にIRセンサーと光源を配置し、ドライバーの居眠り、視線逸脱、不注意状態を検知する技術であり、今後はドライバーモニタリングシステムとの連携可能性が高いとみられている。

 

透明ディスプレイも主要な開発方向として提示された。透明ディスプレイは、必要な時だけ情報を表示するDOD(Display on Demand)の概念と組み合わせることで、ウィンドウ、ドア、コントロールボックスなど、車室内のさまざまな部位に適用できる。この技術が実用化されれば、開放感を維持しながら必要な情報提供と感性デザインを同時に実現できる可能性が高い。今後のフルディスプレイ化した車室空間において、透明ディスプレイはデザイン、情報性、安全性を統合する重要な要素として浮上している。 Source

 

UBIリサーチは、ADASの高度化とコネクティビティの拡大によって、車載ディスプレイ市場が単純なパネル競争から、ユーザー体験、安全、インテリア統合を中心とした技術競争へ転換していると分析している。特に大面積化、プライバシー制御、デュアルビュー、透明ディスプレイ、アンダーディスプレイセンシング技術は、今後のプレミアム車載ディスプレイ市場における中核的な差別化要素になる見通しだ。車載ディスプレイは今や表示部品ではなく、自動車の価値と体験を再定義する戦略的プラットフォームとして進化している。