日付:2026年4月9日
出典:ニュースピム(NewsPim)/GAM(Global Asset Management)
市場では、アップルが2026年下半期に初のフォルダブルiPhoneを投入する可能性が高まるなか、折りたたみスマートフォン、すなわちフォルダブルスマホ市場全体が大きく活性化するとの見方が強まっている。これまでフォルダブルスマホは全スマートフォン出荷の1%台にとどまるニッチ市場とみなされてきたが、アップルの参入によって本格的な大衆市場へ移行する転機を迎える可能性がある。
GAM向けに4月8日午後3時49分に配信されたプレミアム記事によると、アップルの新規参入は完成品市場だけでなく、フォルダブルパネル、UTG(超薄型強化ガラス)カバーガラス、ヒンジ、放熱部材、構造部品、FPCなど、サプライチェーン全体に新たな成長機会をもたらすとみられている。そのため、中国A株市場でもフォルダブルスマホ関連銘柄の成長性が改めて注目されている。
フォルダブルスマホ市場はニッチ市場から本格普及の段階へ
現在、フォルダブルスマホはまだ出荷台数ベースで見れば小規模な分野にすぎないが、2026年下半期にアップルが参入すれば、世界のフォルダブルスマホ出荷台数は前年に比べて20〜30%の急成長を遂げるとの見通しが出ている。
グローバル市場調査会社カウンターポイント・リサーチの「フォルダブルスマートフォン市場見通し」レポートによると、アップルの参入表明、スマートフォン市場の継続的なプレミアム化、OEM各社の参加拡大などを追い風に、2026年の世界フォルダブルスマホ出荷台数は20%増加すると予想されている。
これにあわせて、2026年の世界フォルダブルスマホ向けパネル出荷量も前年比46%増と大幅に伸びる見込みだ。市場規模の拡大によって、フォルダブルパネルの供給網における競争構図もさらに鮮明になるとみられる。とりわけ、技術力と生産能力で優位に立つサムスンディスプレイは、50%を超える市場シェアを確保し、その影響力を一段と強める可能性が高い。
専門機関は、アップル特有の強いブランド力と厚い顧客基盤がフォルダブルスマホ市場に流入すれば、これまで実験的な製品という色彩が濃かったフォルダブル端末が、真のプレミアム主流機種として定着する決定的なきっかけになり得ると評価している。大画面フォルダブルスマホが徐々に主流化することで、来年はパネルの平均販売単価も実質的に上昇し、サプライチェーン企業の利益創出余地が広がるとの期待も高い。
2026年下半期にアップルがフォルダブルスマホ分野へ本格進出すれば、より多くのブランドが多様な形態の革新的製品を投入し、市場の関心と消費者の購買意欲も再び高まる可能性が大きい。結果として、フォルダブルスマホ市場は再度、高成長軌道へ入る公算が大きいと分析されている。
カウンターポイント・リサーチのギヨーム・シャンサン副社長は、アップルが2026年に初のフォルダブルiPhone向けパネル調達を始めることは、単なる新規参入にとどまらず、市場全体に新たな活力を吹き込み、パネル出荷量を大幅に押し上げる核心的な原動力になると指摘した。
パネル供給網ではサムスンディスプレイ優位、BOEはシェア低下見通し
2026年の世界フォルダブルスマホ用パネル出荷量では、サムスンディスプレイが前年比93%増と大きく伸び、市場シェアも57%まで上昇して首位の座をさらに固めると予想されている。一方で、中国のBOE(000725.SZ)は出荷量が前年比8%減となり、市場シェアも22%へ大きく縮小する見通しだ。
これは、フォルダブル市場の拡大がそのまま全企業に均等な恩恵をもたらすわけではなく、量産技術、品質安定性、供給能力、主要顧客との関係といった複合的な要因によって勝敗が分かれることを意味している。特にアップル向け供給のような高難度案件では、サプライヤー選別がより厳格になるため、先行優位を持つ企業の存在感がさらに高まる可能性がある。
華西証券は、アップルの本格参入がフォルダブルスマホの販売急増をけん引し、関連するバリューチェーンの技術革新と高度化を促すと予測している。とくに、フォルダブルスマホ向けUTGカバーガラスやヒンジといった主要成長分野に加え、液体金属や3Dプリンティングなどの新工程も恩恵を受けると前向きにみている。
こうした見通しは、フォルダブルスマホが単なる端末カテゴリーの拡張ではなく、パネル、素材、構造部品、精密加工、実装技術まで含めた広範な産業連鎖の再編を伴うテーマであることを示している。アップル参入による市場の信頼性向上は、サプライチェーン全体の投資判断にも大きな影響を与えるとみられる。
中国A株のフォルダブルスマホ関連銘柄、利益成長で再び脚光
中国国営の証券時報が運営するデータ集計プラットフォーム「数拠宝」の統計によると、4月6日時点で29銘柄のフォルダブルスマホ関連株が2025年業績に関する報告を公表した。年次報告書、業績速報、業績予想の中央値を基準にみると、このうち19銘柄の純利益が1億元を超えた。
代表的な企業としては、中国ディスプレイ大手のBOEテクノロジー(000725.SZ)、中国の電子製品・半導体製品研究開発企業であるTCLグループ(000100.SZ)、精密部品製造大手の領益智造(002600.SZ)が挙げられる。これら3社はいずれも純利益が10億元を超え、それぞれ58億5700万元、45億1700万元、22億8800万元を記録した。
このほか、半導体デバイスおよび印刷材料メーカーの鼎龍股份(300054.SZ)、コンシューマーエレクトロニクス向け機能部品・保護製品メーカーの恒銘達電子科技(002947.SZ)、高分子製品の研究開発企業である時代新材(600458.SH)も、いずれも5億元を超える純利益を計上した。
なかでもBOEテクノロジーは、2025年に売上高2045億9000万元を達成し、前年比3.13%増となった。親会社株主に帰属する純利益は58億5700万元で、前年から10.03%増加した。2024年には世界初となる「Z字型」3つ折りフォルダブルディスプレイの量産・供給を完了し、有機EL製品の新たな形態を切り開いた企業として存在感を示した。今後は、主要ブランドによるフォルダブルスマホ浸透率の上昇や、LTPOなど先端技術路線の拡大に伴って製品構成の最適化が進む見通しであり、中長期的には産業構造の高度化を通じた収益性改善の余地があると評価されている。
領益智造は2025年に売上高514億2900万元を記録し、前年比16.2%増となった。親会社株主に帰属する純利益は22億8800万元で、30.34%の成長率を示した。同社のフォルダブルスマホ関連の主力製品は、多様な材料を用いた支持部品、VC放熱板、ヒンジモジュール、ミドルフレーム、ダイカット機能部品・構造部品、充電器などに及んでいる。
さらに同社は、2024年に第4世代の自動化生産ラインと国産M40炭素繊維生産ラインを導入し、3つ折りフォルダブル端末向け炭素繊維支持板を単独供給した。2025年には超薄型チタン合金生産ラインも導入し、PCフォルダブル炭素繊維支持板の単独供給を実現した。こうした動きは、フォルダブル機器の高性能化や軽量化、高耐久化が進むなかで、構造部材の重要性が一段と高まっていることを裏付けている。
純利益成長率の面では、TCLグループ、FPC(フレキシブルプリント基板)製品の研究開発企業である弘信電子(300657.SZ)、新型高分子材料メーカーの銀禧科技(300221.SZ)がいずれも前年比100%超の伸びを達成した。2025年の純利益増加率は、それぞれ188.78%、128.81%、115.23%に達した。また、接着剤および化学助剤メーカーの康達新材(002669.SZ)と、ディスプレイメーカーの天馬マイクロエレクトロニクス(000050.SZ)は黒字転換を果たした。
弘信電子の主力製品はFPCである。FPCは高配線密度、軽量、薄型、折り曲げ可能、3次元配線対応といった点で、他の回路基板が代替しにくい優位性を持つ。そのため、現代の電子製品に幅広く採用されている。同社は中国国内の大手企業によるスマートフォンシリーズやMatePadなどへ製品を大量供給し、ディスプレイ用フレキシブル基板の中核サプライヤーとして地位を固めている。現在はバー型スマートフォンとフォルダブルスマホを含む複数製品の試作と量産を進めており、フォルダブルスマホの出荷拡大は同社のFPC受注にプラスに働く見通しだ。
総じてみると、アップルのフォルダブルiPhone投入期待は、世界のフォルダブルスマホ市場そのものを再成長局面へ押し上げるだけでなく、中国A株市場に上場する関連企業の業績見通しや評価見直しにも直結している。パネル、ガラス、ヒンジ、放熱、構造部品、FPCといった広範な分野で需要拡大が見込まれるなか、フォルダブルスマホ関連株は今後も中長期テーマとして継続的に注目される可能性が高い。