日付:2026年6月14日
出典:ET News
サムスンディスプレイがRGB OLEDoS向け製造装置投資を本格検討
サムスンディスプレイが、赤・緑・青(RGB)方式のOLEDoS向け製造装置投資を推進している。RGB OLEDoSは、まだ本格商用化に至っていない次世代ディスプレイ技術であるため、今回の投資計画が実際の事業化と量産へ円滑につながるかどうかに、業界の関心が集まっている。
業界によると、サムスンディスプレイは2026年下半期中にRGB OLEDoS用製造装置を発注するため、関連業界と協議を進めている。今回の計画の中核は、OLEDoS蒸着機を中心とした1本の生産ラインを構築することにある。2026年下半期に製造装置を発注し、2027年に搬入、そして2028年から量産を可能にすることが目標とされている。
とりわけ最大の注目点となっている蒸着機の供給先については、Sunic System、CIS、日本のキャノントッキのいずれかが選定される見通しだ。あるディスプレイ業界関係者は、サムスンディスプレイのRGB OLEDoS蒸着ラインについて、十数個に及ぶチャンバー構成の方向で検討が進められていると説明したうえで、発光層を複数積み重ねるタンデム技術が適用される可能性が高いとみている。ここでいうチャンバーとは、パネル製造時に有機材料を載せて搬送する蒸着製造装置の本体部分に相当する。
AR・XR時代の中核部品として注目されるRGB OLEDoSの技術的特徴
OLEDoSは、シリコンウェハー上に有機材料を蒸着して製造する、約1インチ前後の超高精細・超軽量ディスプレイである。ディスプレイ産業では、ARやXR機器向けの次世代マイクロディスプレイ市場を支える中核部品として注目されている。
OLEDoSの技術方式は、大きくホワイトOLED方式とRGB OLED方式に分かれる。ホワイトOLEDoSは白色発光素子にカラーフィルターを組み合わせる方式であるのに対し、RGB OLEDoSはRGBそれぞれの光を出す素子を直接蒸着する点が大きな違いだ。
RGB OLEDoSはカラーフィルターを使用しないため、光の損失を抑えやすく、画面輝度や発光効率の面で有利とされる。このため、将来の高性能ARグラスやXRヘッドセット向けディスプレイとして高い期待を集めている。一方で、従来よりもさらに微細なマスク技術と、それを1マイクロメートル以下で精密に位置合わせする極めて高度な工程技術が必要になる。そのため、RGB OLEDoSは技術的ハードルが高く、まだ商用化されていない。
現在商用化されているOLEDoSはすべてホワイト方式であることから、サムスンディスプレイがこの技術的難題を克服し、RGB OLEDoSを初めて商用化する企業になるのかどうかが市場の大きな焦点となっている。
商用化の鍵を握るアライメント技術と今後の量産ロードマップ
業界関係者は、サムスンディスプレイがOLEDoS蒸着機のアライメント技術水準が十分に高まったと判断し、今回の製造装置投資を進めていると推定している。RGB OLEDoSでは、微細化されたマスクと基板との位置ずれが性能や歩留まりに直結するため、アライメント技術は商用化の成否を左右する核心技術といえる。
サムスンディスプレイはこれに先立ち、2023年にRGB OLEDoS専門企業である米国のeMaginを約2900億ウォンで買収し、関連技術の確保を進めてきた。さらに2026年初めのCESでは、5000PPIの解像度を持つRGB OLEDoSサンプルを公開しており、研究開発段階から量産準備段階へと一歩踏み込んだ動きを見せている。
今回の投資計画は、単なる試験設備導入ではなく、将来の量産体制構築を視野に入れた戦略的判断として受け止められている。もし計画通り2028年から量産が始まれば、サムスンディスプレイはAR・XR向けマイクロディスプレイ市場で先行優位を確保する可能性がある。今後は蒸着製造装置の供給先選定、タンデム構造の実装、超精密アライメント技術の完成度、量産歩留まりの確保が、RGB OLEDoS事業化の成否を左右する重要なポイントになる見通しだ。