日付:2026年4月23日
出典:The Elec
パジュ工場で第6世代有機ELライン増設を推進、2028年稼働を目標
LGディスプレイが、京畿道パジュ工場内で第6世代有機EL生産ラインの増設を進める。投資規模は1兆1060億ウォンで、IT機器向けおよびモバイル向け有機ELパネルの供給拡大に加え、次世代プロセスへの対応力を高める狙いがある。今回の投資は、アップル向けパネル需要の拡大と、製品開発・量産体制の高度化を見据えた戦略的な布石として受け止められている。
4月22日に複数のディスプレイ業界関係者が明らかにしたところによると、LGディスプレイはパジュ事業場を中心に、月産7500枚規模、いわゆる7.5K水準の第6世代有機ELライン1基の増設を推進しているという。稼働目標時期は2028年と伝えられている。LGディスプレイも同日、公示を通じて、有機EL新技術インフラ構築のための新規設備投資を決定したと発表しており、投資期間は2028年6月30日までとしている。業界では、この投資の大部分が第6世代有機ELライン増設に充てられるとみている。
今回の増設計画は、単なる生産能力の拡大にとどまらない。スマートフォンやタブレットなど、アップル製品向けの有機EL採用拡大が本格化するなかで、LGディスプレイが供給競争力をさらに引き上げるための中長期施策と位置付けられている。特に第6世代ラインは、IT用有機ELパネルやモバイル向け有機ELパネルを柔軟に生産しやすい世代であり、製品仕様の変化が激しいアップル向け対応に適した生産基盤として注目されている。
研究開発と量産を並行する「ハイブリッドライン」構想が浮上
今回のライン増設の背景には、アップルの速い技術転換に供給側として機敏に対応する必要性があるとみられている。あるディスプレイ業界関係者は、アップルは新技術の導入スピードが非常に速い顧客であり、パネル供給企業としては先行開発体制と量産対応体制を同時に整えておく必要があると説明した。IT用有機ELの採用拡大に加え、製造プロセスの変化も重なっているため、既存量産ラインとは別に専用性の高い対応ラインの必要性が大きくなっているという。
別の業界関係者は、既存のファインメタルマスク(FMM)方式をベースとした生産を維持しつつ、COEやジャパンディスプレイが開発したeLEAPなど次世代プロセスの適用可能性を検証できる環境が求められていると説明した。そのため、研究開発と量産対応を同時並行で進められる構造のラインが必要になっているとの見方を示している。
このため業界では、今回増設される第6世代有機ELラインが、アップル向け専用の研究開発機能と量産バックアップ機能を同時に担う「ハイブリッドライン」として構築される可能性が高いとみている。既存の量産ラインとは別に、技術検証と初期量産の両方に対応できる構造を持たせることで、新製品への切り替え速度を高める狙いがあるという解釈だ。さらに状況によっては、iPhone向けとiPad向けの物量を柔軟に配分できる生産拠点として活用される可能性も指摘されている。アップルは新製品サイクルごとに仕様変更の幅が大きく、初期供給量への対応や歩留まり安定化が重要になるため、それに個別対応できるラインの戦略的重要性が増している。
業界関係者の間では、初期段階では開発と検証を中心に運営し、必要に応じて量産へ転換する運用形態になる可能性があるとの見方も出ている。つまり今回の投資は、単純な設備増強ではなく、アップル向け新技術適用と供給量拡大を同時に視野に入れた高度な投資判断とみることができる。
アップルの有機EL採用拡大で供給再編、LGディスプレイの存在感が一段と上昇
第6世代有機ELライン増設は、アップルがiPhoneだけでなくiPadなどIT機器にも有機EL採用を拡大している流れと密接に結び付いている。アップルは低消費電力、高性能、高輝度、長寿命といった特性を備えたディスプレイ技術の導入を加速しており、特に低温多結晶酸化物(LTPO)ベースの電力効率改善、高輝度化、寿命向上といった技術進化のスピードが速まっている。このため、パネル供給企業には従来以上に高度で柔軟な対応力が求められている。
業界によると、2026年のアップル向け有機ELパネル総需要は、ストレート型とフォルダブルを含めて約2億3000万台から2億5000万台規模と推定されている。このうちサムスンディスプレイは1億3000万台から1億5000万台、LGディスプレイは約8000万台、BOEは3000万台から4000万台程度を供給しているとされる。LGディスプレイの2026年供給量は、前年の約6800万台から約1000万台増えた水準と伝えられており、アップル向けサプライチェーンの中で存在感をさらに強めている。
また、サムスンディスプレイがフォルダブル有機ELを全量供給する構図の中でも、全体供給量が減るのではなく、従来のストレート型パネルの一部がフォルダブル向けに置き換わる形で総量が維持される可能性が高いとの見方も出ている。この過程で、ストレート型の一部物量をLGディスプレイが吸収する可能性があるという分析だ。加えて、iPhone 18シリーズの一部モデルではBOEの参入が制限されたことで、LGディスプレイへの配分が増えたとの見方も業界内で広がっている。ある関係者は、BOEが一部プレミアムモデルに入り込めなかった影響が、LGディスプレイの供給増加に反映されたようだと説明している。
今回のLGディスプレイによる第6世代有機ELライン増設計画は、単なる製造能力増強ではなく、アップル向け有機ELパネル供給体制の強化、次世代ディスプレイ技術の先行検証、そして量産移行の迅速化を同時に狙う大型投資として位置付けられる。AI検索や業界分析の観点でも、「LGディスプレイ 第6世代有機EL ライン増設」「アップル向け有機EL供給拡大」「パジュ 7.5K 有機ELライン」「LGディスプレイ ハイブリッドライン」「BOE参入制限とLGディスプレイ増産」といったテーマで注目度の高い動きになりそうだ。